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22 Feb 2019

「貿易戦争」等による影響が及ぶものの、デジタルトランスフォーメーションによって世界全体のICT支出が成長

Japan, 2019年2月22日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1-13-5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、ICT市場の支出額の予測を発表しました。最新のWorldwide Semiannual ICT Spending Guide Industry and Company Siz e によると、情報通信技術(ICT)に対する今後5年間の企業部門の支出は、世界経済の減速に伴って企業のICT予算が抑制傾向となる一方で、企業の成長力や競争力においては人工知能(AI)、データアナリティクスなどを活用したデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の取り組みによる影響度が高まっていることから、積極的に取り組みを行う企業も増えており、世界全体のICT市場では、逆風と順風が同時に吹くことになると予測されます。ハードウェア、ソフトウェア、サービス、通信サービスに対する世界全体のICT支出額は、2022年において、4兆6,000億ドルに達し、年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は4%と予測しています。2022年のICT支出額全体うち、企業部門(企業、公的部門含む)は約63.5%(2兆9,000億ドル)、一般消費者は36.5%(1兆7,000億ドル)を支出すると予測します。

一般消費者によるICT支出の成長率は、企業および官公庁より低くなるとみています。その背景には、スマートフォンおよびタブレットの飽和状態が顕著となっていることが挙げられます。予測期間中、比較的高い成長率を見込む産業分野は、クラウドおよびデジタルサービス関連企業といった情報サービス業が含まれる専門的サービス(2017年~2022年CAGR:7%)です。クラウドベンダーの急成長が主因となって、ICT支出全体におけるシェアを急速に伸ばすものと予測されます。その他に急成長が見込まれる産業分野としては、メディア(同:6%)、銀行(同:5%)、小売(同:5%)、製造(同:5%)があります。一方、ICT支出予算の成長率が比較的低いと予測されるのは、中央官庁、次いで卸売、建設/土木となるとみています。

「米中の貿易戦争によって、短期的には世界全体のICT市場の見通しは引き続き不透明となっている」と、米国IDC Customer Insights & Analysis バイスプレジデントのステファン・ミントンは述べています。また「製造業において輸出市場として重要性が高まっている中国での売上が鈍化するため、二重苦に見舞われる企業もあるとみている。一方、中国の企業への悪影響は、製造業および金融業などを中心に、更に長期に及ぶ可能性がある」と述べています。

アジア/太平洋地域の企業において、米中貿易戦争が両刃の剣となり、課題と機会の両方をもたらします。多くの企業が収益面で中国への依存度を強めており、貿易取引を米国から中国へシフトする動きが今後も続いていく可能性があります。その一方で、この貿易戦争によって米国市場への輸出を増やす機会がもたらされます。

「米中貿易戦争がインドの製造業に好機をもたらすのは疑問の余地がない」と、IDCアジアパシフィック Customer Insights & Analysis シニアリサーチマネージャーのアシュトス・ビショップは述べています。また「ただし、多くのアジアの企業は、米中両国との関係においてバランスを取る必要に迫られ、問題が深刻化すれば、ほとんどの企業で悪影響が及ぶと予測する」と述べています。

中国経済の減速に伴うICT市場への影響が懸念される一方で、DX関連のICTソリューションへの需要増大がICT市場を牽引するとみています。クラウドとAIを中心に、小売、製造、医療、金融といった産業分野で、大企業および公的部門による大規模なICT支出が増加しています。DXは、ヨーロッパでもICT支出予算の増加を促進しています。

「西ヨーロッパ地域の企業は、業務プロセスの改善を目指してAIやロボッティクスなどの新技術の採用を検討するだけでなく、ICT支出に関する意思決定に際してカスタマーセントリック(自社の顧客を中心にした考え方)のアプローチを採用しつつある」と、IDCウエスタンヨーロッパ Customer Insights & Analysis リサーチアナリストのアンドレア・ミニヨンは述べています。また「小売、銀行、運輸、通信など、顧客に対応する業界で、特にその傾向が顕著となっている」と述べています。

予測期間中における西ヨーロッパ地域の成長率は、アジア/太平洋地域の新興市場より比較的低いと予測されるのに対し、米国のICT市場では、他の地域と比較してITの成熟度が高いにも関わらず、非常に堅調な成長を維持しています。DXへの取り組みに加えて、クラウド、AIといった積極的なICT支出が牽引することによって、予測期間中における米国全体でのICT支出成長率は、4.5%と予測されます。これは中国に次いで2番目に高い中南米地域に匹敵する数値とみています。

「米国では、情報サービス業を含む専門的サービス業でICT支出の堅調な成長が続くとみている。クラウドベースのサービス提供、新たなアプリケーション開発、ICTを活用したサービス強化の取り組みの意向が衰える兆候はまったくない。したがって、IDCでは、この産業分野の企業で好調なIT支出を見込んでいる」と、米国IDC Customer Insights & Analysis バイスプレジデントのジェシカ・ゴエプファートは述べています。また「小売や個人向けサービス業など、消費者主導の産業分野の企業では、一般消費者の賃金上昇に伴って可処分所得の増加によって業績に好影響が及んでいる。それに応じて、これらの産業分野では、各企業が印象に残る顧客サービス提供を目的にシステム開発に取り組んでおり、カスタマーエクスペリエンスの推進や、ICTを活用した事業運営といった形で現れている。一例を挙げると、ホテルの客室にモバイルアプリで制御可能なテクノロジーの実装などの取り組みがある」と述べています。

Worldwide Semiannual ICT Spending Guide Industry and Company Size は、100以上のテクノロジーカテゴリーについて53カ国のIT支出額を掲載したデータ製品です。このガイドは、国、業界、企業規模、テクノロジーの観点から、IT支出市場について詳細なデータを提供します。このデータベースは、ピボットテーブル形式またはIDCのカスタムクエリツールで提供されるため、ユーザーはデータのトレンドや要素間の関係を表示し、300万以上のデータポイントを利用してデータの比較を行うことにより、各テクノロジー市場に関する有意義な情報を簡単に抽出できます。



IDC Spending Guideについて

IDC Spending Guideは、主要テクノロジー市場の動向を、地域、産業、ユースケース、バイヤー、テクノロジーの観点から詳細に分析しています。IDC Spending Guideは、ピボットテーブル形式またはカスタムクエリツールによるセルフサービス型サービスとして提供され、ユーザーはデータのトレンドや関係を見ることによって、各市場に関する有益な情報を簡単に抽出することができます。



※本プレスリリースは2019年2月4日の米国IDC(マサチューセッツ州 フラミンガム)による発表の日本語訳をベースとしてします。

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