05 Nov 2019

デジタルエコノミーと企業の未来(Future Enterprise)への影響に関するIDCの取り組み

Japan, 2019年11月5日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1-13-5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、世界のデジタルエコノミーと企業の未来像への影響に関する取り組みを発表しました。IDCは過去5年間にわたり、デジタルエコノミーの台頭と、このエコノミーで企業が競争を勝ち抜くために必要なデジタルトランスフォーメーションについての調査結果を発表してきました。2010年代が終わろうとしている今、デジタルエコノミーは重要な転換点に近付きつつあります。IDCでは、ほんの2~3年後にはデジタルで強化された製品、サービス、エクスペリエンスが、全世界のGDPの約半数を占めるようになると予測しています。

企業収益のなかで重みを増しつつあるデジタルエコノミーは、CEOにとって一層重要な課題となっています。IDCの見解によると、CEOがデジタルエコノミーについて考察する際、注目すべき重要分野は次の4つです。



  •     顧客:ミレニアル世代が経済活動で主役の座に就こうとしている今、満たすべき新たな顧客要件があります。具体的には、顧客共感性の大規模な創出、スループットや効率性を重視する経営からマーケット主導型目標への転換、そして顧客との信頼の醸成です。
  •     能力:インテリジェントな(AI主導型の)組織への転換、革新的なサービスやパーソナライズされたエクスペリエンスを大規模に提供するためのソフトウェア開発、社内における新しい働き方モデルの実施など、成功する企業には新しい能力が求められます。
  •     重要なインフラストラクチャ:CEOは、インフラストラクチャを考える際に、物理的な工場や建物に代わって、デジタルなITインフラストラクチャやコネクティビティを中心とする視点へと転換を行うことが必要です。信頼性の高いデジタルサービスおよびデジタルエクスペリエンスを確実に提供し、デジタル顧客から求められている広範なエクスペリエンスを創出するためです。
  •     業界エコシステム:新しいエコシステムが発達し、業界プレイヤー間の力関係が変わるにつれ、業界がどのように変貌していくかを予測することは、CEOに託された重要課題のうち最も難しい項目です。成功するには、CEOはデジタルエコノミーにおける新しい価値を定義し、どの会社が新しいパートナーになるか、エコシステムの中でどのような役割を果たすかを見極める必要があります。



「これから3年ほど、企業は困難だが挑みがいのある課題に直面することになります」と、米国IDC チーフリサーチオフィサー メレディス・ウォーレンは述べています。また、「2019年の終わり頃には、46%の企業がデジタルトランスフォーメーションに成功する体制を整えているとIDCでは予測しています。それらの企業は、デジタル戦略とビジネス戦略が合致した、いわゆるデジタリーデターミンド(Digitally Determined)企業です。このような企業におけるビジネスモデル、製品、サービス、組織のデジタルな変革を実現するためのテクノロジーおよびサービスへの支出額は、2020年には1兆3,000億ドルに達すると見込まれています。ただし、2021年には投資家がそろそろ倦怠感を覚え、4~5年にわたって変革に向けて努力してきた企業は、結果を出すことが求められると予測されます。後れを取った企業は、買収されるか、退場するか、新しい経営陣の指揮下に入ることになるでしょう。デジタルトランスフォーメーションに成功した企業では、新しいビジネスモデルによって製品、サービス、エクスペリエンスが大幅に増加していく、"イノベーションの拡大"が予測されます」と述べています。

CEO、主要な意思決定者、テクノロジーサプライヤーがデジタルエコノミーの需要を満たせるよう支援するため、IDCは2020年、従来のテクノロジー市場の視点とビジネス成果の視点を結ぶ、9つの新しいリサーチプラクティスを発足させます。これらのプラクティスの目標は、デジタルエコノミーに何が起こりつつあるかという文脈を提示することです。望まれるビジネス成果(信頼醸成、インテリジェント組織への転換など)と、そうした成果を達成するためにテクノロジーをどのように利用するかを解説します。各プラクティスは、企業が追及しているビジネス成果に関連する1つの共通テーマに沿って、複数のIDCプロダクトを合体させたものとなり、グローバルかつ多分野横断的なバーチャルチームとして編成されます。

これらのプラクティスは、CEOの新しい重要課題にも対応しています。新しい顧客要件に関しては、以下の3つのプラクティスにフォーカスして調査を行います。すなわち、「顧客との関係の大規模な構築」、「効率性や回復力を重視する経営からカスタマイズをめぐるマーケット需要を満たす経営への転換」、「デジタル信頼プログラムの開発」です。さらに、経営幹部レベルの新たな能力開発のためには、別の3つのプラクティスが有用です。それは、「ビジネスプロセスへのインテリジェンスの追加」、「デジタルサービスを大規模に作成・配布するソフトウェア開発者への転身」、「人間とマシンのコラボレーションを促進し、新しいスキルの養成と新しい従業員エクスペリエンスの実現につながる働き方モデルの創出」です。重要なインフラストラクチャに関する旧来の思考を克服するためには、「各種ビジネス指標は信頼性の高いデジタルサービスおよびデジタルエクスペリエンスに結び付き、これらはデジタルインフラストラクチャに依存していること」、そして「広範なエクスペリエンスを創出するには、従業員、顧客、業務、パートナーに広がるコネクティビティの調整が重要であること」という2つのプラクティスの調査を行っていきます。最後の1つのプラクティスでは、デジタルエコノミーにおける新しい価値を定義できるようCEOを支援します。

デジタルエコノミーによってCEOの重要課題がどのように変わっていくか、企業のデジタルトランスフォーメーションを完遂するためにCEOは何をすべきか、IDCの詳しい予測は、メレディス・ウォーレンの最新のブログ記事http://bit.ly/IDC_DX_CEO1をご覧ください。



※本プレスリリースは2019年10月22日の米国IDC(マサチューセッツ州 フラミンガム)による発表の日本語訳をベースとしてします。

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