26 Dec 2019

国内外付型エンタープライズストレージ市場 2019年第3四半期の実績を発表

Japan, 2019年12月26日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1-13-5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、2019年第3四半期(7月~9月)の国内外付型エンタープライズストレージシステムの支出額(Value)実績を発表しました。これによると、2019年第3四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステム支出額は454億9,600万円で前年同期比1.2%減となりました。

2019年第3四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステム支出額では、前年同期の案件動向を受け、従来にない変動がありました。アレイタイプ別では、成長が続いていたオールフラッシュアレイ(AFA)が113億3,600万円で前年同期比16.5%減となる一方、ハイブリッドフラッシュアレイ(HFA)は175億6,800万円で同6.5%増、オールHDDアレイは165億9,200万円で同3.8%増となりました。2013年の調査開始から初めて、オールフラッシュアレイがマイナス成長となり、またオールHDDアレイがプラス成長になりました。この結果、2019年第3四半期の外付型の支出額に占めるAFAの比率は24.9%(前年同期29.5%)に下降し、オールHDDアレイの比率は36.5%(同34.7%)に上昇しました。このAFAの減少を受け、外付型への搭載メディア容量においても、フラッシュが2013年の調査開始から初めて前年同期比でマイナス成長となりました。

AFAの減少は、AFAが使われる比率の高いサービスプロバイダー向け案件のいくつかが遅延したことなどにより、前年同期にあった大型案件に含まれるAFA支出を補えるほどの売上がなかったために発生しました。一方、オールHDDアレイは2つの要因によって増加しています。一つは前年を通して低調であった、オールHDDアレイが使われる比率の高いメインフレーム向け支出の反動があったことが挙げられます。今期は、メインフレーム向けが72億5,500万円で前年同期比115.0%増、オープンシステム向けが382億4,100万円で同10.4%減となりました。メインフレーム向けは2016年第3四半期以来のプラス成長となり、オープンシステム向けは前年同期にあったオープンシステム向け大規模案件の反動で2017年第3四半期以来のマイナス成長となりました。もう一つのオールHDDアレイの増加要因としては、2020年1月に迫ったWindows Server 2008 R2のサポート終了に伴い、長期間運用されていたサーバーが更新の必要性に迫られ、接続するストレージも更新されたことが挙げられます。このような更新では、オールHDDアレイを主体とした低価格製品が採用される傾向があります。低価格製品の出荷は支出額への寄与こそ小さいものの、市場全体の出荷台数を同11.3%のプラス成長へ牽引しました。出荷台数は、ストレージの統合やクラウドへのシフトに伴って年々減少傾向にあり、今期はこの10年来で最も高い成長率となりました。

なお、2019年第3四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステムの売上額(Vendor Revenue)は431億3,900万円で、ベンダー別売上額の上位5社は富士通(シェア18.6%)、日立製作所(18.0%)、デルテクノロジーズ(13.3%)、ネットアップ(9.0%)、NEC(8.4%)でした。

IDC Japanエンタープライズインフラストラクチャ シニアマーケットアナリストである加藤 慎也 は「今期のオールフラッシュアレイのマイナス成長は案件動向に伴う一時的なもので、まだ成長する余地は大きいとみている。しかし、フラッシュが成熟期に入って容量単価が下落してきたことで、外付型以外のストレージでもデータ保管のためのフラッシュの採用が進み、市場が大きく動く可能性がある。ストレージベンダーは、外付型を採用する価値の向上にあたり、NVMeなどの新技術の採用に加え、その価値を発揮できるワークロードの推進へ向けたエコシステムの構築に一層取り組んでいくことが求められる」と分析しています。

※外付型エンタープライズストレージシステム市場規模の算出には、ベンダー売上額(Vendor Revenue)にマージンを加算した支出額(Value)を使用しています。



<参考資料>

国内外付型エンタープライズストレージシステム市場の支出額推移、2017年第3四半期~2019年第3四半期

Source: IDC Japan, 12/2019



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