09 Mar 2020

国内金融IT市場 最新予測を発表

Japan, 2020年3月9日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内金融IT市場(銀行、保険、証券/その他金融の国内におけるIT支出、ATM、営業店端末のIT支出分も含む)の2018年~2023年の市場予測を発表しました。これによると、2020年の国内金融IT市場は、前年までのPC更新需要の反動、「マイナス金利」による業績の悪影響などもあり、市場規模は2兆3,425億円で、前年比成長率はマイナス0.6%を予測しています。

国内金融機関では、「マイナス金利」、少子高齢化、地域経済の停滞などによる収益環境の悪化に加えて、国内外の有力企業の参入に伴う競争激化によって多くの金融機関で業績悪化が懸念されていることから、全体としてはIT支出の抑制が長期化するとみています。その一方で、大手金融機関を中心にDXの取り組みが本格化していることから、これを目的としたIT支出は拡大を予測しています。IDCでは、「DXユースケース」(DXの取り組みをビジネスプロセスに落とし込んだ個々のシナリオ)を各産業分野別にまとめ、DXの進捗状況を分析しています。国内金融機関における取り組みを「DXユースケース」で分析した場合、既に着手しやすい営業店機能強化、モバイル経由でのサービス強化、またはRPA、AIを活用した生産性向上といったユースケースでは、多くの金融機関で取り組みが本格化していますが、新しいビジネスモデル構築、またはデータを高度に活用したマーケティング施策、商品開発などのユースケースでは取り組みが比較的遅れています。ただし、既存ビジネスの成長性に限界が見えていることから、大手金融機関を中心に新しいビジネスモデル構築の取り組みを開始しており、今後、多くの金融機関で新しいビジネスモデル構築が本格化するとみています。したがって、国内の金融機関のIT支出の中でもDX推進に関連が深い「第3のプラットフォーム市場」(モバイル、クラウド、データアナリティクス、ソーシャルなど)、および「『FinTech』向けIT支出規模」(国内金融機関が「FinTech」サービス提供を目的としたIT支出)では高い成長率で継続して拡大を予測しています。

国内金融機関ではDX推進を目的としたIT支出拡大が見込まれますが、既存ビジネスの成長性に限界が見えている中で新しいビジネスモデルの構築が生き残りのためには必須となりつつあります。IDC Japan ITスペンディンググループ リサーチマネージャーの市村 仁 は「ITサプライヤーは、金融機関の新しいビジネスモデル構築の支援が今後重要となるが、その中でも多くの金融機関が課題として取り組むデータ活用/収益化の支援を行うことが有効である」と分析しています。

今回の発表はIDCが発行した2020 年 国内金融 IT 市場動向調査:本格化する DX と立ちはだかる壁 にその詳細が報告されています。本レポートでは、国内金融IT市場を18業態(例:メガバンク、地方銀行、生命保険、損害保険、大手証券会社、ネット証券など)に分けて、2018年~2023年の予測、および製品別、主要システム別でのIT支出予測(ATM、営業店端末を含む)を行っています。その他、「第3のプラットフォーム市場」「FinTech関連IT支出額」を同様に18業態別に提供します。また、国内金融機関におけるDXの取り組みの状況を「DXユースケース」をベースに分析を行っています。



<参考資料>

国内金融機関のIT支出規模全体/第3プラットフォーム市場/「FinTech」向けIT支出規模

2018年~2023年年間平均成長率比較、産業分野別

Source:IDC Japan, 3/2020

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