02 Apr 2020

国内エンタープライズインフラ市場 ユーザー動向調査結果を発表

Japan, 2020年4月2日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内企業および団体の経営層、事業部門長、部課長を対象として2020年1月にアンケート調査を実施し、900の組織から得られた回答をもとに「2020年 国内企業のエンタープライズインフラのシステムタイプ別トレンド分析」を発表しました。

この調査によると、ITインフラのモダナイゼーションに対する最大の阻害要因としては「予算の制約」が突出していましたが、次いで「ITスタッフの過負荷/不足」「最新テクノロジーに対するITスタッフの教育/知識不足」を指摘する回答も多く、両者を合計すると4割弱を占め、「予算の制約」を上回りました(図1)。ITスタッフの過負荷とスキル陳腐化が大きな阻害要因として顕在化していると考えられます。これらの状況を反映してか、ITインフラの選定基準では「全般的な運用コストの抑制」「スタッフの生産性向上」「維持管理の効率化」といった、運用コスト抑制/生産性向上/効率化といった点が重視されていました。

また、最もミッションクリティカルな基幹業務システムの導入形態を見ますと、現状ではオンプレミスが8割弱を占めますが、次期更新では 5割程度に低下しています(図2)。メインフレームやビジネスサーバーなどのベンダー独自技術のサーバー採用も、次期更新では 4 割弱から 2 割強に 低下しています。しかし、昨年の調査(2019年2月実施)との比較では、メインフレームやビジネスサーバーをオンプレミスで現在採用しているとの回答が2.3ポイント上昇し、次期更新においては4.0ポイント上昇しました。

今回実施したアンケート調査では、ハイブリッドクラウドの活用目的なども質問しました。回答を見ると上位4項目は、「クラウドをアプリケーションごとに使い分け」「開発/テスト/ステージング用環境と本番環境とでの使い分け」といった適材適所でのクラウドの使い分けと、「IaaSへの移行(オンプレミスからの移行)」「パブリッククラウドからプライベートクラウドへの移行(オンプレミスへの移行過程)」といった配備モデル間での双方向の移行でした。

DX(デジタルトランスフォーメーション)が、「デジタル」重視から「トランスフォーメーション」重視へと向かう局面において、DXを支えるITインフラは、常に、そして継続的に最新のテクノロジーやサービスを活用できる環境を提供していく必要があります。つまり、一度、そのような環境を整えれば完了するということではなく、将来、登場する新たなテクノロジーやサービスを柔軟かつ迅速に取り入れつつ、ビジネスにおける変化に即応していくことが求められています。IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャのグループマネージャーである福冨 里志 は「クラウドの適材適所によるハイブリッドクラウドの運用管理などによるITスタッフの作業負荷の高まりや、IT技術に対する知識の陳腐化などといった課題が、ITインフラのモダナイゼーションを阻害する要因になっている可能性がある。ITインフラベンダーは、AIや機械学習を活用したITインフラの運用管理ソリューションの提供や導入効果の明示を通して、顧客におけるITインフラのモダナイゼーションに対する阻害要因を排除すべく支援すべきである」と述べています。

今回の発表はIDCが発行した2020 年 国内企業のエンタープライズインフラのシステムタイプ別トレンド分析 にその詳細が報告されています。本レポートでは、国内企業におけるITインフラ(サーバー、ストレージにフォーカス)の導入状況や今後の投資意向を踏まえて、システムタイプといった視点から分析しています。具体的には、SoR(Systems of Record)としての基幹業務システムと、SoE(Systems of Engagement)やSoI(Systems of Insight)で重要度が高いと考えられる機械学習やAI(Artificial Intelligence)に着目して分析しています。さらに、ハイブリッドクラウドの活用状況について考察しています。



<参考資料>

図1. ITインフラのモダナイゼーションに対する阻害要因

Q. 貴社におけるITインフラのモダナイゼーションを阻害している最大の要因は何ですか?

n = 680

Note: 最新テクノロジー/サービスの継続的な提供能力が「十分とは言えない/不十分である」回答者を対象に質問した

Source: IDC’s Japan Enterprise Infrastructure Demand Survey, 4/2020 (n = 900)



図2. 基幹業務システムのITインフラ導入状況と次期更新での採用意向

Q. 貴社の基幹業務システムのうち、最もミッションクリティカル度が高いシステム用のインフラ(サーバー/ストレージ)の導入状況について、現在と次期更新後に想定される状況で近いものを1つ選択してください

n = 458

Notes:

  • 情報システム部門(IT部門)に対して質問した
  • 比率のあとの括弧書きは、前年実施した調査からの増減ポイントを表す。なお、昨年の調査結果については『 2019年 国内企業のエンタープライズインフラのシステムタイプ別支出トレンド分析(IDC #JPJ44006719、2019年3月発行) 』を参照していただきたい

Source: IDC’s Japan Enterprise Infrastructure Demand Survey, 4/2020 (n = 900)

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