03 Jun 2020

国内インダストリアル/3Dプリンター市場への新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響予測を発表

Japan, 2020年6月3日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内インダストリアル/3Dプリンター市場の2019年支出額実績と、2024年までの予測を発表しました。

2019年の国内インダストリアルプリンター市場規模は、前年比3.2%増の537億6,300万円、3Dプリンター市場規模は同3.6%増の172億3,000万円でした。国内インダストリアルプリンター市場は、プロダクションプリンター市場とラージフォーマットプリンター市場で構成されており、それぞれの2019年の支出額は、プロダクションプリンター市場が323億2,900万円(前年比6.2%増)、ラージフォーマットプリンター市場が214億3,400万円(同1.0%減)でした。

2020年、国内インダストリアル/3Dプリンター市場では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のマイナス影響が大きいと考えられます。まず、展示会やイベントが中止あるいは延期され、製品を展示/説明する機会が減少しました。さらにショールームが閉鎖されたために、ユーザーが自社データによる印刷を直接検証する機会も失われています。また企業の在宅勤務や休業の影響で営業の機会も減少し、特に高速セグメントや高価格帯の製品の販売が影響を受けています。IDCでは、その結果、2020年の国内インダストリアルプリンター市場の支出額が449億7,000万円(前年比16.4%減)、国内3Dプリンター市場の支出額が158億3,900万円(前年比8.1%減)となり、2019年の実績を大幅に下回ると予測しています。

2021年以降、プロダクションプリンター市場では、COVID-19が収束したとしてもしばらく影響が残り、ベンダー間の競争激化でプリンター価格の低下が続くことが考えられます。IDCでは、2019 年~2024年のプロダクションプリンター市場支出額の年平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)をマイナス4.1%、2024年の支出額は262億2,600万円となると予測しています。また、ラージフォーマットプリンター市場では、主な用途である図面やポスター、サイングラフィックスなどの市場が成熟していることから、長期的なCOVID-19の影響はほとんど無いとみています。IDCでは、2019年~2024 年のラージフォーマットプリンター市場支出額のCAGRをマイナス0.2%、2024年の支出額を212億7,100万円と予測しています。

一方、国内3Dプリンター市場は、2021年以降に大きく成長に転ずる可能性が高いとみています。COVID-19の影響による緊急事態に対応して、3Dプリンターを使った部品製造や製品製造の事例が国内外で数多く報告されています。今後3Dプリンターの利用範囲が広がることによって、新たなビジネスが生まれる可能性があります。さらに、製造業におけるプロセス変革のための3Dプリンター利用が着実に進み、3Dプリンターに対する支出は堅調に推移するとみています。IDCでは、国内3Dプリンター市場支出額の2019年~2024年のCAGRを 6.8%、2024年には239億8,700万円となると予測しています。

IDC Japan イメージング, プリンティング&ドキュメントソリューション グループ リサーチマネージャーの三谷 智子 は「COVID-19は、もともと印刷量が減少する傾向にあった国内インダストリアルプリンター市場にマイナス影響を与える可能性が高い。ベンダーはデジタル印刷のメリットを生かすことのできるアプリケーションに注力するなど、今後の競争激化に備えるべきである。一方、3Dプリンター市場においては、COVID-19への対応をきっかけに、新たなビジネスが立ち上がる可能性がある。ベンダーには、こうした新たなビジネスを支援することで、3Dプリンター市場全体の成長を促進する施策が求められる」と分析しています。

今回の発表はIDCが発行した国内インダストリアル/ 3D プリント市場予測、 2020 年~ 2024 年 にその詳細が報告されています。このレポートでは、国内インダストリアル/3Dプリント市場について、2019年の支出額実績調査と2020年~2024年の市場規模予測をまとめています。

※ここでは、インダストリアルプリンター市場をプロダクションプリンターとラージフォーマットプリンターを合わせた市場としています。プロダクションプリンターには、レーザーMFP/プリンターのうちモノクロの印刷速度91ppm(1分間の最高印刷速度)以上、カラー70ppm以上の製品と、高速のインクジェットプリンターが含まれています。ラージフォーマットプリンターはA2サイズ以上のメディア(紙だけでなく、木材、塩ビ、透明フィルムなど)に印刷ができるプリンターです。



<参考資料>

国内インダストリアルプリンター市場 支出額予測、2018年~2024年

Note: 本市場予測は、2020年3月末時点における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響および見通しを考慮したものである。2019年までは実績値、2020年以降は予測値である

Source: IDC Japan, 6/2020



国内3Dプリンター市場 支出額予測、2018年~2024年

Note: 本市場予測は、2020年3月末時点における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響および見通しを考慮したものである。2019年までは実績値、2020年以降は予測値である

Source: IDC Japan, 6/2020

Coverage

Regions Covered

Japan


Topics Covered

3D printer, COVID-19, Multifunction peripherals, Printers