16 Jun 2020

2019年 国内エンタープライズインフラ市場 ベンダーシェアを発表

Japan, 2020年6月16日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内エンタープライズインフラにおけるシステムタイプ別市場規模とベンダーシェアを発表しました。なお、エンタープライズインフラ市場とは、サーバー、エンタープライズストレージシステム(ExternalおよびStorage Expansionのみ)を合算した市場です。

2019年の国内エンタープライズインフラ市場は、前年比4.1%増の7,129億8,800万円でした(参考資料)。富士通が前年比6.5%増でシェア22.3%を獲得して1位となりました。次いでNEC、日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)、デル、日立製作所、IBMの順でした。上位ベンダー6社のうち、前年比プラス成長を達成したのは、富士通、NEC、デル、日立製作所およびIBMの5社でした。特にNEC、日立製作所、IBMの3社は前年比二桁増と高成長を達成しました。

国内エンタープライズインフラ市場の売上額構成比をシステムタイプ別に見ると、SoR(System of Record)が全体の40.2%、SoE/SoI(System of Engagement/System of Insight)が12.7%、Otherが47.1%を占めました。SoRが前年比3.4%増の2,868億7,600万円、SoE/SoIが同7.8%増の903億2,000万円、Otherが同3.7%増の3,357億9,200万円でした。同市場において成長余力が相対的に高いのはSoE/SoIです。SoE/SoIの成長率が相対的に高い背景としては、DX(Digital Transformation)関連の新規需要が厚みを増してきていることを指摘できます。特にAI(Artificial Intelligence:人工知能)やML(Machine Learning)/DL(Deep Learning)関連での需要が寄与しているとIDCではみています。

また、配備モデル別に見ると、Public Cloudが前年比3.5%減の1,276億6,400万円、Private Cloudが同22.3%増の641億5,100万円、Traditional(Non Cloud)が同4.2%増の5,211億7,300万円でした。Public Cloud向けのマイナス成長は、国内における主要グローバルサービスベンダーの投資が一段落したことによるものです。Private Cloud向けの二桁成長は、先行してPublic Cloudを活用してきた企業の一部がTCO(Total Cost of Ownership)の削減やセキュリティ強化などの理由で、Public CloudからPrivate Cloudへ移行する動きがあるとIDCではみています。Traditionalは、メインフレームの更新需要に加えて、Windows Server 2008のサポート終了に伴う需要増といった一過性の要因により好調でした。

IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャのグループマネージャーである福冨 里志 は、「2019年の国内エンタープライズインフラ市場はプラス成長を達成した。しかし、2020年に入ってからの新型コロナウィルス感染症の世界的な大流行によって、多くの企業や組織におけるIT投資余力の低下やトラディショナルからクラウドへのシフトの加速が見込まれる。また、国内では政府におけるクラウドバイデフォルトの影響が官公庁/自治体向けビジネスで今後は徐々に現れる。これらの変化を踏まえた適切な戦略と実効性のある戦略遂行上の仕組み作りが求められる」と述べています。

今回の発表はIDCが発行した国内エンタープライズインフラ市場シェア、 2019 年: SoR 、 SoE/SoI 市場の競合分析 にその詳細が報告されています。本調査レポートは、国内エンタープライズインフラ市場(サーバーとエンタープライズストレージシステム)における売上額をシステムタイプ別に分析しています。具体的には、「SoR(Systems of Record)」、「SoE(Systems of Engagement)」および「SoI(Systems of Insight)」を合算した「SoE/SoI」、および「システム基盤プラットフォーム」と「機器/装置制御システム」を合算した「Other」の3つのカテゴリーごとに売上実績を提供しています。なお、本調査レポートは2019年第4四半期版の「IDC Quarterly Cloud IT Infrastructure Tracker」および2019年下半期版の「IDC Semiannual Server Tracker: Workload」「IDC Semiannual Enterprise Storage Systems Tracker: Workload」に基づいています。



注記:システムタイプについて

  • SoR(Systems of Record):法人や個人事業主の事業活動(商取引)や公的機関における公的サービス提供活動の記録や処理を行うシステムである。
  • SoE(Systems of Engagement):エンゲージメントには外部エンゲージメントと内部エンゲージメントがある。外部エンゲージメントは主に顧客および取引先との関係性である。内部エンゲージメントは社員や従業員との関係性である。ここでは顧客エンゲージメントに関わるシステムのみをSoEとして扱う。
  • SoI(Systems of Insight):収集したさまざまなデータの分析を通して、洞察(インサイト)を得るためのシステムである。
  • システム基盤プラットフォーム(SIP:System Infrastructure Platform):システムを安全かつ安定的に連携して運用するためのシステムや、コミュニケーションや共通ファンクションを提供するためのシステムである。なお、科学技術計算やアプリケーション開発などの用途も本システムタイプに含める。
  • 機器/装置制御システム(A/DCS:Apparatus/Device Control Systems):医療機器、キオスク端末、ビルファシリティ管理、自動倉庫システム、ファクトリーオートメーションにおける産業用ロボットや工作機械などの制御を主目的とするシステムである。

なお、本文のOtherとは、システムタイプのうち「システム基盤プラットフォーム」「機器/装置制御システム」を合算した支出額である



<参考資料>

国内エンタープライズインフラ市場 売上額シェア、2019年

Note: 国内エンタープライズインフラ市場とは、サーバーおよびエンタープライズストレージシステム(ExternalおよびStorage Expansionのみ)を合算した市場である

Source: IDC Japan, 6/2020

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