24 Aug 2020

国内サーバー市場 バイヤータイプ別予測を発表

Japan, 2020年8月24日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内サーバー市場バイヤータイプ別予測を発表しました。なお、バイヤータイプについては注記をご参照ください。

2020年の国内サーバー市場は前年比8.1%減の5,080億9,300万円と予測しています。また、2024年の同市場は4,980億4,200万円を見込んでおり、2019年~2024年の5年間における年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)はマイナス2.1%になります。同市場は、2020年に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によって落込んだあと、2022年に向けて回復するものの、2023年以降は縮小均衡する見込みです。なお、回復期に当たる2021年よりも2020年の市場規模が大きいと予測する背景には、テクニカルコンピューティンの大型案件があります。具体的には、2020年にスーパーコンピューター「富岳」の出荷400億円超を想定しているからです。

バイヤータイプ別にCAGRを見ると、サービスプロバイダー(SP)が7.2%、非サービスプロバイダー(Non-SP)がマイナス7.1%と予測しています。SPが全予測期間において前年比プラス成長になる一方で、Non-SPは2022年を除く全予測期間でマイナス成長になります。COVID-19の影響下にあってもSPがプラス成長を維持するとみている背景には、COVID-19の流行によってワークスタイル変革やデジタルトランスメーション(DX)への取り組みが国内でも加速し、その結果、クラウドシフトがさらに加速するとみているからです。

国内SP向けサーバー市場においてはx86サーバーが主要製品です。同市場の支出額構成比を見ると全予測期間を通じてSP向けが97%以上を占める見込みです。注目すべき点はスタンダートサーバーとカスタムサーバーの構成比推移です。両者の構成比は予測期間を通じて大きな変化が現れず、スタンダードサーバーが6割強、カスタムサーバーが4割弱で推移するとIDCではみています。スタンダードサーバーとは、ベンダーが公開するカタログに掲載されたサーバーで、標準的なマザーボードや筐体をベースとしたサーバーです。カスタムサーバーとは、主にSPが、ODM Directなどから調達するサーバーで、マザーボードや筐体が、特定の顧客や用途向けに設計されたサーバーです。

IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ グループマネージャーの福冨 里志 は「SP向けのスタンダードサーバービジネスは成長分野である。価格要件が厳しくサーバーベンダーは利益の確保が難しいといった側面もあろうが、成長分野で戦略的なビジネスを行わなければ国内におけるサーバービジネスの拡大は望めない」と述べています。

今回の発表はIDCが発行した国内サーバー市場バイヤータイプ別予測、 2020 年~ 2024 年 にその詳細が報告されています。本調査レポートでは、国内サーバー市場を「サービスプロバイダー(SP)」と「非サービスプロバイダー(Non-SP)」の2つのセグメントに分類しています。さらに「サービスプロバイダー」をInfra/SW/Digital SP(インフラ/ソフトウェア/デジタルサービスプロバイダー)と、Hoster(ホスター)、Telecom(通信事業者)の3つに分類し、Non-SP(非サービスプロバイダー)と合わせて4つのカテゴリーに分類した予測値を提供しています。なお、本調査レポートの予測値は2020年6月17日時点における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響および見通しを考慮しています。



注記:バイヤータイプについて

  • サービスプロバイダー(SP:Service Provider):第三者にサーバーリソースを利用させることを目的にサーバーを購入し、第三者にサーバーリソースを利用させることで、契約に基づくサービス収入や、広告収入を得る企業である。サービスプロバイダーは次に示す5つのサブセグメントに分類される。
  • インフラサービスプロバイダー(Infra SP:Infrastructure Service Provider):IaaS(Infrastructure as a Service)やPaaS(Platform as a Service)を主に提供するサービスプロバイダーである。グローバルサービスプロバイダー、同様のサービスを提供するハードウェアベンダーやシステムインテグレーターである。
  • ソフトウェアサービスプロバイダー(SW SP:Software Service Provider):SaaS(Software as a Service)を提供するサービスプロバイダーである。グローバルサービスプロバイダーや独立系ソフトウェアベンダーである。
  • デジタルサービスプロバイダー(Digital SP:Digital Service Provider):主にコンシューマー向けのデジタルサービスを提供するサービスプロバイダーや、ネット通販の店子としての役割を担う企業である。
  • ホスター(Hoster):主にホスティングサービスを提供してきたサービスプロバイダーである。
  • 通信事業者(Telecom): 従来から音声通話やデータ通信サービスを提供してきた企業や同企業を買収して設立した電気通信事業者である(ホスター除く)。
  • 非サービスプロバイダー(Non-SP:Non-Service Provider):自からサーバーリソースを利用することを目的とし、第三者に対するサーバーリソースの提供を目的としていない企業や組織である。民間企業に加えて、官公庁、自治体、それらの外郭団体、小中学校および高等学校や短大、大学などの教育機関が該当する。



<参考資料>

国内サーバー市場 バイヤータイプ別支出額予測、2019年~2024年

Source: IDC Japan, 8/2020

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