01 Oct 2020

人工知能に対する世界全体の支出額は4年間で2倍に増加し、2024年には1,100億ドルに達する見通し

Japan, 2020年10月1日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、世界の人工知能(AI:Artificial Intelligence)の支出額に関する調査結果を発表しました。

人工知能(AI)に対する世界全体の支出額は今後4年間で2倍に増加し、2020年の501億ドルから2024年には1,100億ドル以上に達する見通しです。企業におけるデジタルトランスフォーメーションの一環として、デジタルエコノミーで競争力を保つことを目的とした人工知能の導入が進み、今後数年間でAIシステムへの支出が加速すると予測されています。2019年から2024年までの予測期間中における年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は、20.1%と予測されています。

「企業がAIを採用するのは、単にそれが可能だからという理由だけではありません。必要だからです」と、米国IDC Artificial Intelligence Strategies プログラムバイスプレジデント リトゥ・ジョーティは述べています。また、「AIは、俊敏かつ革新的な企業への転換と、規模の拡大を実現するテクノロジーです。”AIによる強化”を推進する企業は、情報を統合する能力(AIを利用してデータから情報へ、さらに知識へと変換)、学習する能力(AIを利用して知識間の関係を把握し、学習の結果をビジネス課題に適用)、そして大規模に知見を提供する能力(AIを利用して意思決定を支援し、自動化に対応)を獲得します」と述べています。

AIの採用を促している主な要因は、カスタマーエクスペリエンスの向上、および従業員による業務品質の向上の2つです。これは自動カスタマーサービスエージェント、営業プロセスのレコメンデーション/オートメーション、自動脅威インテリジェンス/防止、ITオートメーションなど、主要なユースケースに反映されています。上記4つのユースケースを合わせると、今年のAI総支出額のほぼ3分の1に相当します。最も急成長しつつあるユースケースとしては、人事業務の自動化、ITオートメーション、医薬研究/創薬などがあります。

予測期間中、AIソリューションへの支出額が最も多いとみられる業界は、小売および銀行です。小売業界におけるAIの主な投資分野は、チャットボットやレコメンデーションエンジンを利用したカスタマーエクスペリエンスの向上であると予測されます。一方、銀行業界では、不正行為の解析と調査、プログラムアドバイザー/レコメンデーションシステムが中心になる見通しです。これに組立製造業、プロセス製造業、医療業界が加わり、2020年のAI支出額トップ5の業界を構成するとみられています。2020~2024年の予測期間中、AI支出額の伸びが最も大きい業界は、メディア、連邦/中央政府、プロフェッショナルサービスになる見通しです。

「交通輸送業界、ならびにレジャーおよびホスピタリティ事業を含む個人/消費者サービス業界では、COVID-19の影響によりAI投資が減速しています。これらの業界では、2020年はイノベーションやデジタルエクスペリエンスよりもコスト抑制と収益創出が焦点になり、AI投資には慎重な姿勢が予測されます」と、米国IDC Customer Insights & Analysis シニアリサーチアナリストのアンドレア・ミノンは述べています。また、「一方、隔離やロックダウンによって生じた大規模な混乱に社会が対処する上で、AIは一定の役割を果たしています。ヨーロッパ諸国の一部では、政府がAIスタートアップ企業と提携し、ソーシャルディスタンス規則の成果や国民による規則の遵守状況をモニターするAIソリューションを導入しています。さらにヨーロッパ各国の病院では、COVID-19の診断・検査を迅速化するとともに、自動リモート診察を提供し、病院の受け入れ患者数を最適化する目的で、AIが採用されています」と述べています。

「今回リリースするArtificial Intelligence Spending Guideは、COVID-19による影響を織り込んで調整されています」と、米国IDC Customer Insights & Analysis リサーチマネージャーのステイシー・スーフーは述べています。また、「短期的に見ると、パンデミックに起因するサプライチェーンの混乱や店舗休業の影響は、2021年以降もくすぶり続けるでしょう。大きく影響を受けた業界では、AI導入にある程度の遅れが生じています。そうでない業界では、企業は現在の状況に希望の兆しを見出し、より高度な回復力や俊敏性を長期的に獲得するための機会と考えています。人工知能は引き続き多くの企業にとって、回復への道に連なる重要なテクノロジーです。人工知能の採用は、今後の収益機会や事業運営の再構築と強化に貢献するでしょう」と述べています。

ソフトウェアおよびサービスは、今年のAI支出額全体の中でそれぞれ3分の1以上を占め、その残りがハードウェア支出になる見通しです。ソフトウェア支出額のうち最も比率が大きい項目はAIアプリケーション(141億ドル)と予測され、サービス支出における最大のカテゴリーはITサービス(145億ドル)になると予測されています。ハードウェア支出では、サーバー(112億ドル)が大半を占める見通しです。予測期間中、最も高い成長率が見込まれるのはソフトウェアに対する支出額であり、5年間のCAGRは22.5%と予測されています。

地域別に見ると、米国は小売業界と銀行業界を中心に、予測期間中におけるAI支出額全体の半分以上を占めると予測されています。2番目に支出額が大きい地域は西ヨーロッパで、銀行、小売、組立製造業が牽引役となる見通しです。3番目にAI支出額が大きい地域は中国で、国/地方政府、銀行、プロフェッショナルサービスが主力業界となるでしょう。5年の予測期間中、最も強力な支出拡大が見込まれるのは、日本(32.1%のCAGR)およびラテンアメリカ(25.1%のCAGR)です。

Worldwide Artificial Intelligence Spending Guideは、幅広い非構造化情報の分析に基づいてアドバイザリーサービスの編成、アクセス、提供を行う各種テクノロジーへの支出額を推定しています。このSpending Guideは、9つの地域および32か国における19の業界を対象に、27のユースケースに関するデータを提供し、AI関連のビジネス機会を数量化しています。ハードウェア、ソフトウェア、サービスのカテゴリーに関するデータも入手できます。本バージョン(V2 2020)のSpending Guideでは、2020年5月末の時点におけるすべてのテクノロジーおよび業界市場へのCOVID-19の影響を織り込んで更新した予測値を使用しています。

※本プレスリリースは2020年8月25日の米国IDC(マサチューセッツ州 フラミンガム)による発表の日本語訳をベースとしてします。

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