24 Sep 2020

2020年第2四半期 国内サーバー市場動向を発表

Japan, 2020年9月24日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1-13-5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、2020年第2四半期(4月~6月)の国内サーバー市場動向を発表しました。2020年第2四半期の国内サーバー市場全体の売上額は1,332億円で、前年同期から22.2%増加しました。出荷台数は10万8千台で、前年同期から9.9%減少しました。

2020年第2四半期の国内サーバー市場は、売上額が前年同期比で2桁のプラス成長となりました。製品別では、x86サーバー(注1)が、前年同期比でマイナス成長となりましたが、メインフレームは、2桁のプラス成長、その他のサーバーは、3桁のプラス成長となり、国内サーバー市場を牽引しました。特に、その他のサーバーは、前四半期(2020年第1四半期)に引き続き、スーパーコンピュータ「富岳」の出荷(注2)があり、国内サーバー市場全体のプラス成長に貢献しました。「富岳」は、2020年第1四半期および第2四半期の2回に分けて分納され、売上計上は2四半期に渡ったと、IDCではみています。なお、「その他のサーバー」とは、「ARMサーバー」、「RISCサーバー」、「IA64サーバー」、「ビジネスサーバー」の総称です。

x86サーバーは、売上額が前年同期比5.2%減の881億円でした。出荷台数は、前年同期比11.9%減の10万5,100台でした。x86サーバーの内、Standard Server(注3)は、売上額が前年同期比10.4%減の725億円、出荷台数が同19.6%減の8万3,500台でした。Custom Server(注3)は、売上額が前年同期比30.2%増の156億円、出荷台数が同39.5%増の2万1,600台でした。Standard Serverは、ITサービス、官公庁向けの大口案件などがありましたが、前年同期にあった流通、文教、製造向け大口案件などの反動で、売上額、出荷台数共に2桁のマイナス成長となりました。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の影響も2桁マイナス成長の一因になったとIDCではみています。その一例として、COVID-19対策による在宅勤務の促進があげられます。一部の企業において、在宅勤務へのシフトにより社内業務処理が滞り、契約締結が遅延したケースや、出社社員数が減少し、納品検収対応が困難となり、サーバー搬入日を延期したケースなど、結果として、サーバーベンダーの今期売上計上に至らなかったケースがみられました。これらのネガティブな影響は、主に、在宅勤務に不慣れであった中小規模事業者で発生したとIDCではみています。Custom Serverは、前年同期に、売上額、出荷台数ともにマイナス成長だった反動で、今期は、売上額、出荷台数共にプラス成長となりました。なお、Custom Serverでは、Standard Serverとは異なり、COVID-19流行によるネガティブな影響は特に見られませんでした。寧ろ、COVID-19の流行により企業のクラウドシフトが加速し、Custom Serverのプラス成長にポジティブな影響をもたらしたとIDCではみています。メインフレームは、売上額が前年同期比48.2%増の157億円でした。前年同期は2桁のマイナス成長でしたが、今期は流通、金融、運輸向けの大型案件があり、2桁の大幅なプラス成長となりました。その他のサーバーは、売上額が前年同期比436.8%増の294億円でした。理化学研究所計算科学研究センター向け「富岳」をはじめ、官公庁、文教、金融向けの大型案件がありました。なお、「富岳」を除いた、その他のサーバーの売上額は、前年同期比46.1%増の80億円となり、「富岳」を除いても好調でした。なお、メインフレームやその他のサーバーでは、COVID-19流行によるポジティブな影響もネガティブな影響もみられませんでした。

IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊 雅行 は、「x86サーバーは、Standard Serverの売上額が、前年同期比で2桁減となった。中小規模事業者向けや、店舗設置、組込み用途などに使用されるタワーサーバーの売上額が、3割強減少したことが大きな要因である」と、述べています。

カンパニー別売上額では、富士通が首位を維持しました(参考資料)。次いで、NEC、日本ヒューレット・パッカード(HPE)、デル・テクノロジーズ(Dell Technologies)、IBMの順でした。IBMは、前四半期(2020年第1四半期)の6位から順位を上げて5位となりました。出荷台数は、富士通が首位を奪取しました。2位はNEC、3位は、前四半期の4位から順位を上げたDell Technologies、次いで、HPE、Huaweiの順となりました。



注1: 「x86サーバー」は、x86アーキテクチャのプロセッサーを採用しWindows、Linuxなどオープン系のOSを搭載したサーバーです。Itaniumプロセッサーを搭載したサーバーやベンダー独自OSを搭載したサーバーはx86サーバーに含めません。また、「x86サーバー」と「メインフレーム」以外のサーバーを「その他のサーバー」として記載しています。

注2: 「富岳」の売上額は、公知の情報に基づいたIDCの推定値を計上しています。2020年第2四半期の売上額は、前四半期(2020第1四半期)と同規模の約214億円と推定しています。出荷台数は、過去にあった「京」の出荷と同様に、売上計上単位で1台とカウントしています。よって、2020年第2四半期の出荷台数は、前四半期と同様に1台として計上しています。なお、「富岳」は、サーバーに搭載しているプロセッサー種別から、IDCでは「ARMサーバー」に分類しています。「ARMサーバー」は、ARMホールディングスが管理するプロセッサーを搭載しているサーバーです。

注3: x86サーバーは、Standard ServerとCustom Serverに分類されます。Standard Serverとは、ベンダーが公開するカタログに掲載されたサーバーで、標準的なマザーボードや筐体をベースとしたサーバーです。Custom Serverとは、主にクラウドサービスベンダーが、ODM Directなどから調達するサーバーで、マザーボードや筐体が、特定の顧客や用途向けに設計されたサーバーです。



<参考資料>

2020年第2四半期 国内サーバー市場 カンパ二―シェア【売上額】

Source: IDC Japan, 9/2020



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