08 Apr 2021

国内IoTインフラ市場 インテリジェントエッジ利用状況ユーザー調査結果を発表

Japan, 2021年4月8日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1-13-5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、IoT(Internet of Things)プロジェクトを推進している国内企業および団体の経営層、事業部門長、部課長、係長、主任クラスを対象として2021年1月にアンケート調査を実施し、476の組織から得られた回答をもとに「2021年 国内IoTエッジインフラストラクチャ調査:インテリジェントエッジ利用状況」を発表しました。本調査では、IoTインフラユーザーにおけるIoTエッジインフラ(注1)の利用形態およびベンダー選定基準について調査しました。

この調査によると、IoTエッジインフラにおける最も重要な処理として、現在、回答者の37.2%が「データ分析処理」を選択しており、3年後に「データ分析処理」を選択する割合は6.5ポイント増加し、回答者の4割強になりました(図1)。一方、「OT(制御システム)の監視/制御」を選択する割合は、現在の33.0%から10.7ポイント減少し、回答者の2割近くになりました。なかでも、「データ分析(AI*を利用した深層学習)」は、3年後に最上位項目となり、現在の最上位項目である「OT(制御システム)の監視」に取って代わる結果となりました。

また、分析処理で使用するデータに関しては、3年後は「画像データ(動画)」が最上位項目となり、「画像データ(静止画)」「システムログ(稼働状況)」「位置データ」が、これに続きました。データ分析処理を、IoTエッジインフラで行う理由については、「IoTコアとIoTエッジインフラの全体バランスを考慮した」「データ処理スピードが速い」「データ分析スピードが速い」が、上位3項目となり、「ハッキング対策のため」「データ漏洩防止のため」といったセキュリティ関連項目が、これに続きました。

IoTエッジインフラにおけるデータ分析処理が増加し、インテリジェントエッジのニーズが拡大していく中で、インテリジェントエッジにAI技術を搭載し、画像データなどをデータ分析に使用するケースが増えていきます。このように、今後多様化してくるデータ分析に処理性能面で対応するとともに、顧客のセキュリティに対する懸念を払拭することも必要になるとIDCではみています。

最も重要な処理を行うIoTエッジインフラの採用意向に関する質問では、現在は、回答者の半数近くが「汎用サーバー」を選択しました。3年後の採用意向では、「汎用サーバー」を選択する割合は減少し、「IoTエッジ専用製品」と、「クラウドサービスベンダーのIoTエッジサービス」を選択する割合が増加しました。これらのIoTエッジインフラを選択する割合は、それぞれ3割前後となり、ほぼ均衡する結果となりました。「IoTインフラベンダーは、インテリジェントエッジの製品ラインナップ強化などの製品戦略に加え、パブリッククラウドサービスベンダーとの競争戦略やアライアンス戦略を策定することが重要である」と、IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊 雅行 は述べています。

今回の発表はIDCが発行した2021 年 国内 IoT エッジインフラストラクチャ調査:インテリジェントエッジ利用状況 にその詳細が報告されています。本レポートは、「インテリジェントエッジ利用状況」と「IoTエッジインフラの選定基準」の章で構成されています。前半では、IoTエッジインフラにおいてデータ分析処理を行う理由、AIを利用したデータ分析の目的、深層学習を行う際の課題、5G/Local 5G利用状況など、後半では、IoTエッジインフラベンダーの利用状況、ベンダー選定時の課題などについて分析しています。

注1:IDCでは、IoTの基本アーキテクチャとして「IoTの3層モデル」を定義しています(図2)。IoTの3層モデルを基に「IoTコアインフラ」と「IoTエッジインフラ」を定義し、さらに「IoTエッジインフラ」を「インテリジェントエッジ」と「それ以外のIoTエッジインフラ」に分類しています。「インテリジェントエッジ」は、データ分析などの高度なコンピュート処理を可能にするIoTエッジインフラを指し、 「それ以外のIoTエッジインフラ」 は、IoTゲートウェイやルーターなど、データ分析を行わないIoTエッジインフラを指しています。

*AI: Artificial Intelligence(人工知能)



<参考資料>

図1.IoTエッジインフラで行っている最も重要な処理

Q. あなたが携わっているIoTプロジェクトにおいて、IoTエッジインフラで行っている最も重要な処理を1つお答えください。

n = 476

Note: 単一回答

Source: IDC Japan, 4/2021



図2. IoTの3層モデル

Notes:

  • クラウドまたはデータセンター層で使用されるIoTインフラストラクチャを「IoTコアインフラストラクチャ(IoTコアインフラ)」、エッジコンピューティング層で使用されるIoTインフラストラクチャを「IoTエッジインフラストラクチャ(IoTエッジインフラ)」として定義している。
  • IoTエンドポイント層で使用されるIoTインフラストラクチャ(センサー、デバイスなど)は、IoTインフラ調査の調査対象外としている。

Source: IDC Japan, 4/2021

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