30 Jun 2021

国内エンタープライズインフラ市場バイヤータイプ別予測を発表

Japan, 2021年6月30日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内エンタープライズインフラ市場 バイヤータイプ別予測を発表しました。IDCでは、サーバーとエンタープライズストレージシステム(ExternalおよびStorage Expansionのみ)を合算した国内エンタープライズインフラ市場について、バイヤータイプ別(注記)に予測を行っています。

2021年の国内エンタープライズインフラ市場は前年比9.0%減の6,467億7,300万円と予測しています。また、2025年の同市場は6,833億9,800万円を見込んでおり、2020年~2025年の5年間における年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)はマイナス0.8%になります。2021年の同市場は、2020年における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴う需要低迷期から回復期へとシフトします。新型コロナワクチンの国内配布は2021年2月から開始しており、国内における感染抑制と経済回復の見込みは改善していくとみています。しかし、2020年における公的機関向け大型スーパーコンピューターの出荷を補う規模の案件がなく、2021年は反動減が表れてマイナス成長になる見込みです。

バイヤータイプ別にCAGRを見ると、サービスプロバイダー(SP)が5.2%、非サービスプロバイダー(Non-SP)がマイナス5.1%と予測しています。SPが全予測期間において前年比プラス成長になる一方で、Non-SPは2025年を除く全予測期間でマイナス成長を見込んでいます。なお、SPにおけるエンタープライズインフラ投資にはサービス提供用と社内システム用の両方が含まれます。

国内SP向けエンタープライズインフラ市場は、COVID-19の感染拡大やそれに伴う行動様式の変化、これに加えて厳しい経済環境を乗り切る上でデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが一部の企業で活発化し、クラウドシフトがさらに加速することで堅調に推移します。また、SPの投資を促進する要因として、5Gやローカル5Gへの投資もあります。さらに、政府における「クラウド・バイ・デフォルト」の影響によって官公庁/自治体のクラウドサービス利用機会も増加すると考えられます。

国内Non-SP向けエンタープライズインフラ市場は縮小傾向が続きますが、2025年においても市場規模がSP向けよりも大きいとみています。Non-SP向けに製品/サービスを提供してきたインフラベンダーやシステムインテグレーターは顧客の業務やシステムに精通しているケースが多く、今後も注力すべきセグメントであることに変わりありません。

IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ グループマネージャーの福冨 里志 は「Non-SP向けは市場規模がSPよりも大きいものの成長分野ではない。その一方でSP向けは成長分野であり、SP向けを細分化して見ると、インフラベンダーにとっての市場機会は少なからず存在する。価格要件が厳しくサーバーベンダーは利益の確保が難しいといった側面もあろうが、成長分野で戦略的なビジネスを行わなければインフラビジネスの拡大は望めない」と分析しています。

今回の発表はIDCが発行した国内エンタープライズインフラ市場 バイヤータイプ別予測、 2021 年~ 2025 年 にその詳細が報告されています。本調査レポートでは、国内エンタープライズインフラ市場を「サービスプロバイダー(SP)」と「非サービスプロバイダー(Non-SP)」の2つのセグメントに分類しています。さらに「サービスプロバイダー」をInfra/SW/Digital SP(インフラ/ソフトウェア/デジタルサービスプロバイダー)と、Managed SP(マネージドサービスプロバイダー)、Communication SP(通信事業者)に再分類した上で、予測値を提供しています。



注記:バイヤータイプについて

  • サービスプロバイダー(SP):第三者にサーバーやストレージリソースを利用させることを目的にサーバーやストレージを購入し、第三者に同リソースを利用させることで、契約に基づくサービス収入や、広告収入を得る企業である。
  • クラウドインフラストラクチャー/ソフトウェア/デジタルサービスプロバイダー(Infra/SW/Digital SP):IaaS、PaaS、SaaSを提供するサービスプロバイダーである。グローバルサービスプロバイダー、同様のサービスを提供するハードウェアベンダーやシステムインテグレーターなどがある。また、クラウドネイティブなビジネス(B2B)サービスまたはコンシューマー(B2C)サービスの提供者も含まれる。なお、同セグメントは次の3つに細分化できる。
  • ハイパースケーラー(Hyperscaler):アリババ、アマゾン、アップル、Baidu、フェイスブック、グーグル、マイクロソフト、Tencentの8社をIDCではハイパースケーラーとして扱う。
  • クラウドサービス(Other Cloud SP):ハイパースケーラー以外のクラウドサービスプロバイダーで、シェアードクラウドインフラストラクチャサービスプロバイダー(Shared Cloud Infrastructure SP)とクラウドソフトウェアサービスプロバイダー(Cloud Software as a Service Provider)が含まれる。
  • デジタルサービスプロバイダー(Digital SP):デジタルサービスとは、プロビジョニングされたビジネスまたは消費者向けリソースを、従量制、オンデマンド、またはサブスクリプションモデルを介して第三者に提供することである。サービスは標準化され、かつパーソナライズ機能を備えており、「セルフサービス」機能を備えている。サービスは、ビジネス(B2B)サービスまたはコンシューマー(B2C)サービスの両方がある。
  • マネージドサービスプロバイダー(Managed SP):主にデディケイテッドホスティングサービスやマネージドサービスを提供してきたサービスプロバイダーである。
  • 通信事業者(Communication SP):以前から音声通話やデータ通信サービスを提供してきた企業や同企業を買収して設立した電気通信事業者や衛星通信事業者などである。
  • 非サービスプロバイダー(Non-SP):自らサーバーやストレージリソースを利用することを目的にサーバーやストレージを購入し、第三者に対する同リソースの提供を目的としていない企業や組織である。民間企業に加えて、官公庁、自治体、それらの外郭団体、小中学校および高等学校や短大、大学などの教育機関が該当する。



<参考資料>

国内エンタープライズインフラ市場 バイヤータイプ別 支出額予測、2020年~2025年

Source: IDC Japan, 6/2021

Coverage

Regions Covered

Japan


Topics Covered

Enterprise server, Serial ATA drive