23 Aug 2021

国内「データエコシステム」市場の調査結果を発表

Japan, 2021年8月23日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内ベンダーおよび企業の「データエコシステム」市場における取り組み状況の調査結果を発表しました。IDCでは、あらゆる産業の企業が自社のファーストパーティ(1stパーティ)データを、外部のセカンドパーティ(2ndパーティ:協業先の組織)/サードパーティ(3rdパーティ:協業先以外の外部組織)データと掛け合わせ、新たなビジネスモデル/収益モデルを創出すべく形成するプレイヤーの集合体を「データエコシステム」と定義しています。本調査では、データエコシステムに関わるさまざまなプレイヤーの中でも、「データ取引/シェアリング基盤」、「Data as a Service」、「情報銀行」、「データ流通推進活動」に関わるベンダーおよび企業に焦点を合わせて調査を行いました(これらのプレイヤーの具体事例については<参考資料 1>を参照)。

まず、IDCが2021年4月に実施した、デジタルトランスフォーメーション(DX)を目的にデータ利活用を進める企業に対するWebサーベイ(<参考資料 2>を参照)によると、回答者全体の傾向を見ると、2nd/3rdパーティデータを有償で購入または無償で取得する「外部データ活用」の実施割合は回答者全体の3割以上に達しています。また1stパーティデータを有償で販売または無償で提供する「内部データ外販」の実施割合も全体の2割前後存在することが判明しました。産業分野別に見た場合、情報/通信では有償での内部データ外販の先行事例が比較的多いことが分かりました(32%)。政府/公共、医療/福祉、教育では、オープンデータなどを中心に無償での内部データ外販が浸透しつつあるとみられます(38%)。また外部データ活用に最も積極的なのは一般サービスであることが分かりました(有償/無償共に43%)。このように、DXを目的としてデータ利活用を推進する企業においては、外部データ活用や内部データ外販の取り組みはそれほど珍しいものではなくなってきています。今後国内企業のDXが成熟するに伴い、こうした取り組みはさらに広がるとIDCではみています。

データエコシステムに関わる国内ベンダーおよび企業の動向については、以下に示すような3つの傾向が見られることが明らかになりました。1つ目に、顧客エンゲージメント最適化に向けたデータ利活用の需要は依然として高いことが分かりました。「クッキーレス時代」に向けたインターネット広告/CRM系事業者の技術革新、大手企業のData as a Service事業者化、企業の情報銀行事業の支援などが広がりつつあります。また、海外で先行するオルタナティブデータ活用に対する関心が、国内でも強まっています。2つ目に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の継続が影響し、人材リソース/スキル、ヘルスケア/医療、地方創生/地域ビジネス、産業オペレーション、社会インフラ/公共安全/公共サービスといった特定のドメインに特化したデータ流通に対する期待が高まっています。3つ目に「データパイプライン(データの収集、保護、品質管理、統合、準備、学習、分析、活用などの各プロセスとそれを支えるテクノロジー、および各プロセスに関わる組織と人の総称)」の整備に向け、社内パイプライン関連ソリューションのワンストップ提供、産業横断パイプラインを実現するための技術開発/ルール整備、データ流通関連ワークリソースの拡充、自社/パートナーに限定したプライベート空間でのデータ流通、プライバシーテックの浸透などに注目が集まっています。

IDC Japan コミュニケーションズのシニアマーケットアナリストである鳥巣 悠太 は、「COVID-19拡大の影響により、今後はフィンテック領域をはじめ、HRテック、セールステック、REG(Regulation)テック、Healthテックなど多様なドメインの外部データ活用の需要が高まる。データエコシステムに関わるベンダーは金融業界に限らず、あらゆる産業において「オルタナティブデータ活用」を意識したDXソリューションの提案が不可欠となる」と述べています。

今回の発表はIDCが発行した2021 年 国内データエコシステムに関わるプレイヤー分析:データ取引/シェアリング基盤、情報銀行、 Data as a Service 関連事業者を中心に にその詳細が報告されています。



<参考資料 1>

データエコシステムの構成要素と主要プレイヤー

Source: IDC Japan, 8/2021



<参考資料 2>

企業の「1stパーティデータの販売/提供(内部データ外販)」と「2nd/3rdパーティデータの購入/取得(外部データ活用)」の実施割合、産業分野別の比較

Q. お勤め先の企業ではデータの有償/無償での「販売/提供」「購入/取得」を行っていますか?

Notes:

・ n = 310、単一回答

・本調査は「従業員規模100人以上の国内企業に所属し、課長職以上であり、自社がDXを目的としたデータ利活用を推進しており、また自社におけるデータ利活用に関する、目的や課題、活用データの種類、必要な技術やスキル、推進組織やプロセス、経営方針や展望などを「網羅的に把握(7割以上)」または「ある程度把握(4~6割)」若しくは「部分的に把握(2割~3割)」している回答者(データ利活用統括者)」を対象としている

・ 「1stパーティデータの販売/提供(内部データ外販)」や「2nd/3rdパーティデータの購入/取得(外部データ活用)」を「すでに実施している」または「具体的な計画が進行中」という回答割合を産業分野別に集計している

「IDC's Japan Data Ecosystem Survey 2021, April 2021(n = 310)」を基に作成

Source: IDC Japan, 8/2021

Coverage

Regions Covered

Japan


Topics Covered

Cognitive/artificial intelligence