02 Dec 2021

国内電子サインソフトウェアの市場動向を発表

Japan, 2021年12月2日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内電子サインソフトウェアの市場動向を発表しました。

IDCでは電子サインソフトウェア/サービスを、IDCがソフトウェア機能市場として定義するドキュメントアプリケーションの中のサブマーケットの一つと捉え、「電子文書に関して安全、正確かつ法的な契約/同意手続きを行うソフトウェアおよびクラウドサービス」と定義しています。

2020年初頭に生じた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大を契機としたリモートワークの必要性の高まりや、押印のための出社問題を契機とした電子サインに関連した電子署名法などに関する政府見解が相次いで公表され、2020年における国内電子サイン市場は急拡大しました。

IDC Japanでは2020年10月に『2020年 国内電子サイン市場動向: COVID-19を契機に拡大する利用気運(JPJ46833120)』を発行し、国内電子サイン市場の動向調査を実施しましたが、当該レポート発行以降も2020年12月の内閣府による地方公共団体の行政手続きにおける押印見直しマニュアルの公表、2021年1月の労働者派遣契約の電子化解禁及び地方自治法施行規則の改正による利用可能な電子サイン種類の拡大、5月のデジタル改革関連法案の成立/同9月の施行、など電子サインの適用範囲拡大のための利用環境整備が進行しています。

2021年2月にIDCが実施したユーザー調査によると、社内外の用途において、自社システム/クラウドサービスを合算した電子サインの利用状況は31.5%程度の企業が利用している状況で、2020年7月の調査と比較して、利用率が1.9ポイント上昇しました。また、100人~999人規模の中堅企業において前回調査と比較して7.0ポイント利用率が上昇しており、大企業中心に利用されてきた電子サインが中堅企業にも拡大しつつある、と推察されます。また、業種別でみると、金融/公共/サービス(不動産を含む)で利用率が相対的に低い状況ですが、2021年9月1日に施行されただ時たる改革関連法案の施行や各省庁における書面交付/押印の見直しによって、今後電子サインの利用が浸透していく、と予測しています。

一方で、同調査における電子サイン利用における課題として最も多かったのが「法的にどこまで有効か不明瞭」でした。2020年、2021年に法的整備や見解公表を含めた電子サイン利用の環境は整ったものの、ユーザー企業における認知が十分に進んでいない状況や、電子サインによって成立した文書の証拠力に関しては、ユーザー企業の判断に委ねられる面が多く、契約によってどの種類の電子サインを用いるか、利用時に用いる当人認証にどのような手法を用いるか、本人確認を行うか否か、などの選択においてユーザー企業が参考にできるユースケースの蓄積が少ないことも要因にある、とIDCではみています。

現在、日本国内においては複数の電子サイン/ソリューションを提供するベンダーが市場参入しており、今後も参入事業者の拡大やアプリケーションソフトウェアへの電子サイン機能の組み込みなどが期待されます。

こうした市場背景によって、IDCでは電子サインを検討中のユーザー企業及びそれを支援するITサプライヤーに向けて、国内における電子サイン関連法の動向、ユーザーの利用動向の他、電子サインとの連携ソリューションの1つであるeKYC(electronic Know Your Customer/本人確認手続きを電子的に行う仕組みの総称)の概要について調査、分析し、本調査レポートに記載しています。

IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ マーケットアナリストの太田 早紀 は「今後電子サインを前提とした契約様式が国内で定着するために、ITサプライヤーは電子サインの適用可能範囲及び利用シーンに即した標準ユースケースの提示、他業種への波及効果が期待できる公共/金融における電子サインの利用拡大、電子サイン導入を起点としたデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に関するコンサルティングを積極的に行うべきである」と分析しています。

今回の発表はIDCが発行した2021 年 国内電子サイン市場動向: 進行する電子サインの利用環境整備と eKYC の概要 にその詳細が報告されています。



<参考資料>

国内における電子サインの利用状況(従業員規模別)

Source: IDC Japan, 12/2021

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