08 Dec 2021

国内データ流通プラットフォームの動向に関する調査結果を発表

Japan, 2021年12月8日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内データ流通プラットフォームの動向に関する調査結果を発表しました。ここでのデータ流通プラットフォームとは、異なるソース(センサー、IoT機器、情報システムなど)から収集したさまざまなデータを連携させることによって新たな価値を生み出すための広域データ基盤を指します。

IDCでは、2019年から国内におけるデータ流通プラットフォームの市場動向を調査しています。3回目となる今回は、リアルな空間(屋外、屋内)に関するデータを活用することによる価値創出のユースケースと、それらの実現に向けた国内でのデータ流通プラットフォーム構築、さまざまなシステムから共通的に参照される基本データとしての地図データなどに関する取り組みを調査しました。

リアル空間に関するデータの活用とそれによって創出される代表的なユースケースを<参考資料-1>に示します。<参考資料-1>から、このようなデータから新たな価値を生むには、複数のデータの連携が必要となるケースが多いことが分かります。一方で、1つのデータソースが複数のユースケースで活用できることも見て取れます。

データ流通プラットフォームや地図データに関する取り組みも活発化しています。前者の最も代表的なものとして、政府の「デジタル社会の実現に向けた重点計画」に盛り込まれた「DATA-EX」が挙げられます。国土交通省都市局の3D都市モデル構築事業「Project PLATEAU」も、都市のデジタルツインとして注目を集めています。民間企業や地方自治体などでも、2D/3Dの地図/位置情報基盤、スマートシティ基盤(都市OS)、スマートビルディング基盤を導入する動きが増加しています。コンピューターが現実世界を理解可能にするためのデータモデルやオントロジー(知識や情報をコンピューターが理解できる形に構造化し整理するモデル)についての検討も進みつつあります。また、データ流通プラットフォームは、単にデータを流通させるだけでなく、その上で新たなアプリケーションを構築するための開発プラットフォームとしての役割が増しています。

データ流通プラットフォームの今後の展望として、政府や企業などへの同プラットフォームの導入が進むことでデータ連携のハードルが下がり、<参考資料-1>に示すようなユースケースを実現するための取り組みの加速が期待されます。また、今後は、CPS(Cyber Physical System)を通じて、人やモノが周囲を認識することで、相互のインタラクションや対象物の自動制御などが可能になると考えられます。一方で、課題もあります。その一つがプライバシーの保護です。今日、公共空間のデータ化に当たっては、カメラで撮影した画像を多く用います。カメラに映る人が誰かを認識し、その人のパーソナルデータを活用できれば、より付加価値の高いサービスを提供できます。一方で、プライバシーは十分に保護される必要があります。現状では、このようなデータの扱い方の詳細に関して社会的コンセンサスが醸成されていないため、ステークホルダーが多い場合、意見がまとまりにくいといったことに直面するケースも多いとIDCでは考えます。

IDC Japan コミュニケーションズ リサーチマネージャーの小野 陽子 は、「今後、データ流通プラットフォームで多くのデータが扱われるようになると、ITの専門家でない人でも、プラットフォーム上で新しいデータの追加や処理方法の変更などができる必要がある。プラットフォームを提供する企業は、API(Application Programming Interface)のオープン化、ローコード/ノーコード、Web規格(例:W3C Web of Things)の採用などによって技術的なハードルを下げ、市場の裾野を広げるべきである」と述べています。

今回の発表はIDCが発行した2021 年 国内データ流通プラットフォーム市場動向分析:オープン基盤が拓く Society 5.0 の地理空間イノベーション にその詳細が報告されています。本レポートでは、リアル空間に関連するデータ流通プラットフォームの国内動向を分析するとともに、それによって新たな価値を生み出すユースケースを整理しています。



<参考資料-1>

リアル空間に関するデータの活用によって創出される代表的なユースケース

Source: IDC Japan, 12/2021

Coverage

Regions Covered

Japan


Topics Covered

Structured data management software