07 Jan 2022

新型コロナウイルス感染症の2021年9月末時点での影響を考慮した国内IT市場予測アップデートを発表

Japan, 2022年1月7日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、2021年9月末時点の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響を考慮した国内IT市場予測のアップデートを発表しました。これによると国内のIT市場は、前回発行レポート『国内IT市場 産業分野別/従業員規模別/年商規模別予測、2021年~2025年:2021年3月末時点のCOVID-19による影響を考慮(IDC #JPJ46561421、2021年5月発行)』から、2020年は0.7ポイント改善し前年比1.5%減の18兆2,518億円の実績、2021年は1.5ポイント改善となり前年比4.2%増の19兆234億円と予測しています。

COVID-19は、飲食/宿泊/運輸などのサービス業を中心に国内経済へ深刻な影響を与えていますが、サプライチェーンの混乱が収まり、製造業を中心とする国内の主要産業は回復しつつあります。またテレワークや各種サービスのオンライン化による非接触の定着によって通信分野がIT支出を牽引しています。しかしながら、感染の再拡大の兆候も見られており、有効なワクチンの国民に対する広い投与や治療薬の開発が進むまでは、予断を許さない状況が続くとみられます。

製品別では、国内通信事業者の携帯電話通信料金値下げによるスマートフォンの買い替え需要、通信インフラの増強、オンプレミス環境で運用してきた従来のITインフラの刷新を含む、クラウド環境への移行、サブスクリプションビジネスの広がりによるソフトウェアおよびサービスの成長によってIT市場が回復しています。

産業分野別では、COVID-19の影響による移動抑制が継続する運輸分野を除くすべての産業分野でプラス成長に回復するとみています。また、携帯電話料金値下げに起因するスマートフォンの買い替えによる消費者、GIGAスクール構想2年目に入り、ICT活用に向けたインフラやソフトウェアの整備が進む教育、各種ソリューションの基盤となるテクノロジーを提供する情報サービスが2021年のIT市場成長を牽引します。

従業員規模別では、COVID-19は多くの企業規模に影響を及ぼしていますが、大企業、中堅企業といった経営体力のある企業では、ITによる事業拡大に向けた取り組みを継続しておりプラス成長を予測しています。一方で、経営体力に乏しい小規模企業以下の企業では業績の低迷が長期化し事業継続が難しい状況に追い込まれる企業も増えており、小規模企業以下の規模のIT支出はほぼ横ばいからわずかに減少するとみています。

年商規模別では、COVID-19の影響は年商規模を問わず多くの企業に及んでいますが、業務効率化や非対面チャネル強化を推進するIT支出は継続しています。年商規模300億円以上の企業では2021年のIT支出は堅調な拡大をしている一方で、経営体力に乏しい年商規模100億円未満の企業では業績回復は遅れており、マイナス成長が継続するとみています。

上記の予測は、COVID-19のワクチンの接種が進んでいることから、2021年に経済成長率は2.3%のプラス成長に転じ、海外経済の復調と政府の景気刺激策によって下支えされるものの、回復ペースが緩やかなため、経済活動がCOVID-19の感染拡大以前の水準に回復するのは2023年以降になることを前提に作成しています。また、2020年~2025年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は3.2%、2025年の国内IT市場規模は21兆3,539億円と予測していますが、COVID-19の感染拡大や抑制に関する見通しは不透明な部分が多く、今後の状況によっては予測を大きく見直す可能性があります。

2022年は、実店舗での購買行動やオフィスワークといったリアル空間での消費や体験を行う機会が徐々に回復していくとみられますが、この2年間で多数体験した在宅勤務やテレワークなど非接触型のバーチャル空間での行動機会がもたらした利点を生かすため、XR(Cross Reality)のようなデジタル技術を活用した、リアルとバーチャルを融合させたハイブリッドな行動にシフトしていくと考えられます。COVID-19によってもたらされたITのあり方は、デジタル技術で構成されたバーチャル空間がリアル空間における行動を代替するためだけに活用されるのではなく、両空間が相互に連携し、メリットを享受できるハイブリット型を目指すべきと考えられます。この環境変化を捉えて、IDC Japan ITスペンディングのシニアマーケットアナリストである阿部 勢 は、ITサプライヤーに対して「自社ビジネスにおけるさまざまなデジタルテクノロジーを活用し、ハイブリッドな行動の検証を行い、そのノウハウをサービスとして顧客に提案することで自社の成長とともに社会全体の成長につなげていくことが重要である」と述べています。

今回の発表はIDCが発行した国内 IT 市場 産業分野別/従業員規模別/年商規模別予測アップデート、 2021 年~ 2025 年 にその詳細が報告されています。本レポートでは、国内IT市場に関して、2021年~2025年の予測を製品別、産業分野別、従業員規模別、年商規模別で提供しています。



<参考資料>

国内IT市場 産業分野別 支出額予測、2020年~2025年

Note:    2020年は実績値、2021年以降は予測

Source: IDC Japan, 1/2022

Coverage

Regions Covered

Japan


Topics Covered

COVID-19, Global IT and economic markets