11 Jan 2022

国内エンタープライズインフラ市場システムタイプ別予測を発表

Japan, 2022年1月11日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内エンタープライズインフラ市場 システムタイプ別予測を発表しました。IDCでは、サーバーとエンタープライズストレージシステム(ExternalおよびStorage Expansionのみ)を合算した国内エンタープライズインフラ市場について、システムタイプ別(注記)、配備モデル別(Cloud/Traditional)に予測を行っています。

2021年の国内エンタープライズインフラ市場は前年比7.2%減の6,596億8,300万円と予測します。また、2025年の同市場は7,063億6,100万円を見込んでおり2020年~2025年の5年間における年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)はマイナス0.1%です。2021年はマイナス成長となりますが、2022年にプラス成長に復帰後、予測期間を通じてプラス成長を維持するとみています。また、システムタイプ別にCAGRを見ると、SoR(Systems of Record)がマイナス1.0%、SoE(Systems of Engagement)/SoI(Systems of Insight)がプラス3.4%、Otherがマイナス0.4%です。

2021年の国内エンタープライズインフラ市場は、2020年における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴う需要低迷期から回復期へとシフトします。しかし、2020年における公的機関向け大型スーパーコンピューターの出荷を補う規模の案件はなく、反動減が現れてマイナス成長になるとみています。2020年の公的機関向け大型スーパーコンピューターとは、理化学研究所向け富岳、海洋研究開発機構向け地球シミュレータおよび宇宙航空研究開発機構向けJSS3(合計で約500億円超)です。また、半導体などの需給逼迫は供給サイドに影響を与えており、回復期に入った需要サイドからの需要増に充分応えられず、実際の出荷が2022年に延伸されるといった下押し要因もあります。

2021年の国内SoR向けエンタープライズインフラ市場を配備モデル別に見ると、SoR on Public Cloudが前年比13.1%増の360億8,100万円、SoR on Private Cloudが前年比1.5%減の189億6,300万円、SoR on Traditionalが前年比11.5%減の1,943億900万円と予測します。また、2020年~2025年の5年間におけるCAGRはSoR on Public Cloudがプラス6.2%、SoR on Private Cloudがプラス4.2%、SoR on Traditionalがマイナス2.7%になります。

2021年の国内SoE/SoI向けエンタープライズインフラ市場を配備モデル別に見ると、SoE/SoI on Public Cloudが前年比18.0%増の212億5,500万円、SoE/SoI on Private Cloudが前年比10.5%増の130億5,800万円、SoE/SoI on Traditionalが前年比8.4%減の493億4,000万円と予測します。また、2020年~2025年の5年間におけるCAGRはSoE/SoI on Public Cloudがプラス7.8%、SoE/SoI on Private Cloudがプラス8.2%、SoE/SoI on Traditionalがプラス0.5%になります。

2021年の国内Otherシステムタイプ向けエンタープライズインフラ市場を配備モデル別に見ると、Other on Public Cloudが前年比14.3%増の882億2,600万円、Other on Private Cloudが前年比1.6%増の331億2,400万円、Other on Traditionalが前年比16.7%減の2,053億2,700万円と予測します。また、2020年~2025年の5年間におけるCAGRはOther on Public Cloudがプラス6.1%、Other on Private Cloudがプラス4.2%、Other on Traditionalがマイナス3.6%になります。

IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ グループマネージャーの福冨 里志 は「国内エンタープライズインフラ市場をシステムタイプ別に見ると、生産年齢人口の減少、それに伴う自動化/省力化/効率化の推進、COVID-19がもたらした行動様式の変化などの要因から成長性が異なる。縮小均衡するSoRでの収益維持やエッジコンピューティングなどの成長分野を攻略する上での適切な戦略と実効性のある戦略遂行上の仕組み作りが求められる」と分析しています。

今回の発表はIDCが発行した国内エンタープライズインフラ市場 システムタイプ別予測アップデート、 2021 年~ 2025 年 にその詳細が報告されています。本レポートでは、データとその処理の目的に着目した5つのシステムタイプのうち、SoRと、SoEおよびSoIを合算したSoE/SoI、およびシステム基盤プラットフォームと機器/制御システムを合算したOtherの3つのカテゴリーについて、国内エンタープライズインフラの市場規模を推計し、分析しています。

注記:システムタイプについて

  • SoR(Systems of Record):法人や個人事業主の事業活動(商取引)や公的機関における公的サービス提供活動の記録や処理を行うシステムである。
  • SoE(Systems of Engagement):エンゲージメントには外部エンゲージメントと内部エンゲージメントがある。外部エンゲージメントは主に顧客および取引先との関係性である。内部エンゲージメントは社員や従業員との関係性である。ここでは顧客エンゲージメントに関わるシステムのみをSoEとして扱う。
  • SoI(Systems of Insight):収集したさまざまなデータの分析を通して、洞察(インサイト)を得るためのシステムである。
  • システム基盤プラットフォーム(SIP:System Infrastructure Platform):システムを安全かつ安定的に連携して運用するためのシステムや、コミュニケーションや共通ファンクションを提供するためのシステムである。なお、科学技術計算やアプリケーション開発などの用途も本システムタイプに含める。
  • 機器/装置制御システム(A/DCS:Apparatus/Device Control Systems):医療機器、キオスク端末、ビルファシリティ管理、自動倉庫システム、ファクトリーオートメーションにおける産業用ロボットや工作機械などの制御を主目的とするシステムである。

なお、本文のOtherとは、システムタイプのうち「システム基盤プラットフォーム」「機器/装置制御システム」を合算した支出額である。



<参考資料>

国内エンタープライズインフラ市場 システムタイプ別 支出額予測、2020年~2025年

Note: Otherとは、システムタイプのうち「システム基盤プラットフォーム」「機器/制御システム」を合算した支出額である

Source: IDC Japan, 1/2022

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