
17 Mar 2022
国内産業用ネットワーク機器市場予測を発表
Japan, 2022年3月17日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内産業用ネットワーク機器市場予測を発表しました。これによると、2021年の国内産業用ネットワーク機器市場は、成長に急ブレーキがかかった2020年から反転し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大前の2019年を上回る24.5%の成長を達成しました。
工場、プラント、輸送機械といった一般的なオフィスとは異なる環境で用いられ、耐環境性能の高い産業用ネットワーク機器市場は、産業用イーサネットスイッチ、産業用ルーター、産業用無線機器で構成されています。いずれの製品分野も成長していますが、中でも産業用無線機器市場は、前年比73.8%増と大きく伸びました。同市場を構成する産業用無線LANは、タブレットやPCの活用による現場のデジタル化やペーパーレス化が継続的に進む中で需要が増加しています。また、ワイヤレスバックホールの需要も堅調で、広大な敷地やケーブルを設置するのが困難な環境における無線によるネットワーク接続や、メッシュネットワーク構築といった用途に加えて、「動くモノ」の無線化にもワイヤレスバックホール製品が寄与しています。
2022年以降も、製造業を中心にデジタル化やIoT(Internet of Things)の着実な進展、そしてデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を原動力として、国内産業用ネットワーク機器市場は成長を続けるとIDCではみています。2021年~2026年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は5.9%と予測しています。
製品分野別で見ると、製造現場における無線ネットワークの活用と「動くモノ」のIoT化は、産業用無線機器の市場を大きく押し上げます。産業用無線機器市場における同期間のCAGRは23.6%になるとIDCでは予測しています。また、生産機械を始めとする「動かないモノ」のネットワーク化/IoT化においては、速度や安定性、導入の容易性からイーサネットが最も有力なネットワーク技術といえます。国内産業用イーサネットスイッチ市場は、2021年~2026年のCAGRで3.2%と着実な成長を見込んでいます。
製造業を始めとする多くの企業が、全社的取り組みとしてDXを推し進めており、現場のネットワーク化、デジタル化もその一部と位置づけられています。こうしたDX 推進体制では、「生産管理部門だけでなくIT部門やDX推進部門もOT(Operational Technology)ネットワーク構築に関わるステークホルダーであると産業用ネットワーク機器ベンダーは改めて認識する必要がある。単に生産機械をネットワーク接続するだけではなく、DX実現に必要なデータ活用によってセキュリティリスクをいかに低減できるかという視点で、これからのOTネットワークを各ステークホルダーに訴求することが求められる」とIDC Japanのグループディレクターである草野 賢一 は述べています。
今回の発表はIDCが発行した国内産業用ネットワーク機器市場予測、 2022 年~ 2026 年 にその詳細が報告されています。本調査レポートは、産業用ネットワーク機器市場の製品セグメント別予測に加え、産業分野別予測やレイヤー/フォームファクター別の産業用イーサネットスイッチ市場予測も提供しています。
(レポートの詳細についてはIDC Japan へお問い合わせください)
<参考資料>
国内産業用ネットワーク機器市場 売上額予測、2020年~2026年
Notes:
- 産業用イーサネットスイッチ、産業用無線機器、産業用ルーターの合計値
- 2021年は見込値、2022年以降は予測値
Source: IDC Japan, 3/2022