
28 Apr 2022
2022年 国内オフィスプリント環境導入判断者調査結果を発表
Japan, 2022年4月28日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内ユーザー企業のオフィスプリント環境導入判断関係者を対象に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響や感染収束後の機器導入方針などについて調査した結果を発表しました。この調査ではオフィスプリント環境の導入判断に関わる正社員1,125名を対象として、COVID-19収束後にオフィスプリント機器の使用や導入判断がどのように変化するかについて分析しています。
これによると、全体の3割以上の企業で、COVID-19感染拡大の影響でプリント量が減少したことがわかりました。そして、こうした回答者のうちの7割程度が、感染収束後もプリント量は減少したまま/さらに減少すると回答しています。IDCでは、COVID-19の影響で一旦減少したプリント量は簡単には元には戻らない可能性が高いと考えています。そして、注目すべきは、プリント量が減少/元に戻らない理由の最大のものが、在宅勤務によるオフィス従業員の減少ではなく、COVID-19をきっかけとした業務のデジタル化だったことです。感染収束後にプリント量がさらに減少する理由として、業務のデジタル化をあげた回答者は71.3%にものぼりました。
一方、感染拡大によってプリント機器の設置台数は大きく変化していないことがわかりました。プリント機器の設置台数が減少したとする回答は全体の14.0%にすぎません。さらに、設置台数が感染拡大前と変わらなかったとする回答者のうちで、感染収束後に設置台数の縮小を計画している回答者は7.8%にとどまることから、感染収束後にプリント機器の設置台数を縮小する動きは大きなトレンドとはなっていないことがわかります。しかし、設置台数を縮小する理由については注意が必要です。COVID-19の影響で設置台数を縮小した理由の第一は、業務のデジタル化および紙で保存する文書の減少で、両方とも38.9%でした。そして、この比率は、感染収束後に台数縮小を予定している企業においてはさらに高くなり、業務デジタル化が65.5%、紙で保存する文書の減少が47.3%となります。ワークフローデジタル化の結果としてプリント量が減少、そのことがプリント機器の設置台数縮小につながっていくものと考えられます。
ワークフローデジタル化には、どの程度の企業が取り組んでいるのでしょうか。この比率は、やはり企業規模が大きいほど高い傾向がみられます。具体的には、大企業では74.9%、中堅/中小業では63.6%、小規模企業では44.4%もの企業がワークフローデジタル化を推進していると回答しています。そして、本調査がオフィスプリント環境の導入判断関係者を対象としたものであることを考慮しても、デジタル化においてプリント機器が重要とする回答は全体の63.1%あることは注目に値します。プリント機器ベンダーとしては、こうしたニーズをとらえて、適切なハードウェア/ソリューション/サービスを提供していく必要があります。本調査で、ワークフローのデジタル化を積極的に推進している層にとっては、複合機のセキュリティ機能、クラウド連携機能が重要であることがわかりました。デジタル化に積極的なユーザー企業で、これらの機能を重要とした回答者は、それぞれ53.8%および39.1%でした。
本調査で、今のところ感染収束後にプリント機器の設置台数が大きく減少するトレンドは無いものの、感染拡大をきっかけとしたワークフローのデジタル化が市場を大きく変化させる可能性があることがわかりました。IDC Japan株式会社 イメージング、プリンティング&ドキュメントソリューション リサーチマネージャーの杉内 秀行 は「COVID-19感染拡大がワークフローデジタル化を加速する可能性がある。ワークフローデジタル化においては、複合機のセキュリティ機能/クラウド連携機能が特に重要であり、ベンダーは、これらの機能を強化すると共に、使いやすい形態でユーザー企業に提供すべきである」と述べています。
今回の発表はIDCが発行した2022 年 国内プリント環境導入判断者調査 : COVID-19 収束後の機器導入判断 にその詳細が報告されています。本レポートでは、COVID-19収束後のオフィスプリント機器の導入判断や使用状況がどのように変化するかについて分析をまとめています。
(レポートの詳細についてはIDC Japan へお問い合わせください)
<参考資料>
Q1. 感染拡大前と比べて、現在複合機/プリンターの台数が減少した理由を教えてください。
Q2. 感染収束後、複合機/プリンターの設置台数をさらに減らす検討をしている理由を教えてください。
Note: 複数回答
Source: IDC Japan, 4/2022