12 May 2022

最新の国内第3のプラットフォーム市場予測を発表

Japan, 2022年5月12日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内第3のプラットフォーム市場(※)を調査し、2022年~2026年の市場予測を発表しました。本調査によると、2022年の国内第3のプラットフォーム市場の市場規模(支出額ベース)は、20兆2,479億円、前年比成長率は4.3%と予測しています。2021年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響によって企業の投資姿勢が二極化し、財務環境の不確実性から慎重な姿勢を示す産業分野や企業がある一方、レジリエンシー(困難な状況から迅速に回復する能力/柔軟性、変化への対応力)強化のためのデジタルトランスフォーメーション(DX)を志向した積極的なIT投資を行う企業が増えました。2022年は、レジリエンシー強化のデジタル投資が継続するものの、ロシア・ウクライナ戦争に起因するサプライチェーンの混乱や円安の進行によって業績に影響を受ける製造業などを中心に投資を抑制する企業も出てくると考えられます。支出額は2026年には24兆3,883億円に達して、2021年~2026年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は4.7%になると予測しています。

IDCでは、国内第3のプラットフォーム市場を、企業分野、非企業分野(中央官庁、地方自治体、教育)、消費者分野に分類し、同市場を分析しました。COVID-19の感染拡大当初は非企業分野である中央官庁/地方自治体の支出が相対的に目立ちましたが、2021年以降は企業分野が第3のプラットフォーム市場を牽引しています。企業分野の2022年の前年比成長率は7.7%ですが、2023年は9.4%、2021年~2026年のCAGRは7.3%になると予測しています。他方、教育を含む非企業分野については、教育ではGIGAスクール構想に基づくICT活用に向けたインフラ/ソフトウェアの整備が進み、中央官庁/地方自治体においては在宅勤務の環境整備、マイナンバーカードの利用促進、デジタル庁創設による国内行政のデジタル化やガバメントクラウドの推進によって、中長期的に見ると堅調なテクノロジー支出の拡大が期待されます。消費者についてはインフレなどの影響によって消費活動におけるデジタル投資の優先度が落ちる可能性があり、2022年は前年からほぼ横ばいの支出傾向になると予測しています。

同市場を産業分野別に分析すると、2022年は、過去2年間COVID-19の影響から抑制的な投資状況であった「運輸」や「個人向けサービス」において、他の産業分野に比べ前年比成長率が相対的に高くなると予測します。他方、最も支出規模が大きい「組立製造」については、半導体部品の不足による製品提供の遅延が継続する中、ロシア・ウクライナ戦争を契機として自動車製造業を中心にロシアの工場の操業停止が相次いでいることや、国内の製造工場においてもロシアへの依存度が高いレアアースや天然ガス/原油の価格高騰が見込まれます。これによって事業計画に影響が出ることで、デジタル投資を保留する事業者も出てくると考えられます。エネルギーや原材料の高騰は、すべての産業の事業に影響を及ぼす可能性がある一方、COVID-19感染拡大においてデジタルの重要性が高まったように、今回のロシア・ウクライナ戦争を契機として、多くの企業がデジタルを活用して回復力や安全性を高める意識をより強くすると考えられます。「通信」や「情報サービス」は中長期的にも堅調な支出拡大を見込んでいますが、COVID-19感染拡大、ロシア・ウクライナ戦争といった相次ぐ危機に対応するためのICTやデジタルへの需要に応える第3のプラットフォームへの投資を拡大することで、今後、成長率がより高まる可能性があります。

IDC Japan株式会社 ITスペンディングのリサーチマネージャーである敷田 康 は、COVID-19の混乱が収束しないうちにロシア・ウクライナ戦争が勃発したことで、多くの企業が重層的な事業リスクに直面している状況から、「ITサプライヤーにとって2022年は、顧客企業の個別具体的な事業リスクを分析し、そのリスクに対処するレジリエンシー強化視点でのソリューション提案を徹底的に行うべきタイミングとなる」と述べています。

今回の発表はIDCが発行した国内第 3 のプラットフォーム市場 産業分野別/企業規模別予測、 2022 年~ 2026 年 にその詳細が報告されています。本レポートは、国内の産業を17種類の企業、および中央官庁、地方自治体、教育、消費者の4種類の非企業の計21の産業分野に分類し、それぞれの第3のプラットフォーム支出額実績と予測を記載しています。

※ここでの「第3のプラットフォーム市場」には、クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術の4つの主要技術(4ピラー)から構成される技術プラットフォームと、4ピラー上に展開され事業成長を促進する技術となる「イノベーションアクセラレーター」としてIDCが定義する、AI、AR/VR、IoT、ロボティクス、3Dプリンティング、次世代セキュリティ、ブロックチェーンの7つの技術のうち、従来のICT市場に該当するハードウェア、ソフトウェア、サービス、通信サービスが含まれます。

本市場予測では、IDCが国内市場について想定した以下のCOVID-19やロシア・ウクライナ戦争の国内経済に対する影響および見通しに基づき、市場予測を行っています。

「COVID-19ワクチン接種の浸透に伴い、国内経済活動は底堅い回復を続けていく。変異型ウイルスの感染拡大による個人消費の回復の遅れや、半導体不足などによる供給制約によって、2021年の経済成長率は1.6%に留まった。2022年は、サプライチェーンの制約およびインフレーションが年後半にかけて緩和するに伴い海外経済が拡大することや、国内での個人消費が回復することによって、日本の経済成長率は2022年に2.4%となる。ロシア・ウクライナ戦争などの地政学的な不確実性の高まりによる下振れ要因によって、経済活動がCOVID-19の感染拡大前の水準に回復するのは2023年以降になる。2022年から2026年にかけて平均で前年比1.3%増程度のGDP成長を見込む。人口減少は消費、投資意欲を抑制し、中長期の経済成長を阻害する主要因となる」

(レポートの詳細についてはIDC Japan へお問い合わせください)



<参考資料>

国内第3のプラットフォーム市場 支出額予測: 2021年~2026年

Note: 2021年は実績値、2022年以降は予測

Source: IDC Japan, 5/2022

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