01 Aug 2022

国内ITサービス市場ベンダー売上ランキングを発表

Japan, 2022年8月1日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:村橋俊介、Tel代表:03-3556-4760)は、2021年の国内ITサービス市場ベンダー売上ランキングを発表しました。

2021年の国内ITサービス市場規模は5兆8,712億円、前年比成長率は3.2%でした。ベンダー売上の上位5社は、1位から順に、富士通、NTTデータ、日立製作所、NEC、IBMとなりました。この顔ぶれおよび順位は2020年から変わっていませんが、2位のNTTデータが富士通に続いて国内ITサービス市場売上額が1兆円を超えました。また、IBMはキンドリルの設立に伴って売上額およびシェアが低下しましたが、IBMに残留した部分が好調であったこと、もともと6位以下との売上額の差が大きかったことから、順位の変動にまでは至りませんでした。

サービスセグメント別に見ると、プロジェクトベース市場は、DX関連の需要の高まりや、SAP関連およびクラウドマイグレーション需要の継続、また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の影響からの回復も見られ、上位10社のうち8社がプラス成長を示しました。マネージドサービス市場は、クラウドを含めた包括的なITインフラのアウトソーシングなどの需要が高く、上位10社のうち9社がプラス成長となりました。サポートサービス市場では、従量課金型サービスが好調に推移したほか、Windows 7 のサポート終了や消費税増税前の駆け込み特需の反動減の終息、COVID-19感染拡大によるハードウェア出荷遅延からの回復もあり、上位10社中8社がプラス成長を示しました。

産業分野別に見ると、金融ではオンライン系銀行、クレジットカード、損害保険など、各ベンダーがそれぞれ異なる領域で売上を伸ばしました。製造および流通では、顧客によってCOVID-19の影響からの回復に差が見られましたが、SAP関連の需要が引き続き高かった上、流通ではeコマースやデジタルマーケティングなども成長の牽引役となりました。通信/メディアは通信事業者向け、政府/公共では大規模な更改案件の獲得状況がベンダーの売上動向に影響を与えました。その他の産業分野では、運輸サービス、旅行代理店、宿泊業などでCOVID-19感染拡大の影響の長期化が見られ、それが各ベンダーの売上を左右しました。

売上額の前年比成長率が最も高かったのは、7年連続でアクセンチュアとなりました。顧客のデジタル化、業務改革を支援するためのコンサルティング、設計/構築、運用、BPOサービスまでを一貫してサポートする一連のサイクルが効果的に機能していることが、同社の成長を支えているとみられます。

国内ITサービス市場では、産業分野によってばらつきはあるものの、プロジェクトベースを中心にCOVID-19感染拡大の悪影響からの回復が進んでいます。同時に、COVID-19感染拡大が企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みを加速した部分もありました。また、政府によるデジタル庁の設置など、今後のITサービス市場のシェアに影響を及ぼす可能性のある動きも見られます。「国内ITサービスベンダーは、COVID-19の感染拡大下で顧客に導入されたサービスやソリューションを俯瞰的に見直し、さらに、基幹システムを起点とするDX支援を強化すべきである。また、地方自治体のDX対応を支援する共同利用型プラットフォームの整備を進めるべきである」と、IDC Japan株式会社 ITサービスのシニアマーケットアナリストである吉井 誠一郎 は述べています。

今回の発表はIDCが発行した国内 IT サービス市場シェア、 2021 年: COVID-19 感染拡大の影響からの回復が進む にその詳細が報告されています。本レポートでは、国内ITサービス市場における大手サービスベンダーの競合状況を把握するため、大手ITサービスベンダー各社の売上をサービスセグメント別/産業分野別にまとめ、分析しています。

(レポートの詳細についてはIDC Japan へお問い合わせください)



<参考資料>

国内ITサービス市場 主要ベンダー サービスセグメント別売上額、2021年

Note:    連結ベース、グループ外企業向け、暦年ベースのIDC定義に基づく推定値

Source: IDC Japan, 8/2022

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