
Publication date: 05 Aug 2022
アジア太平洋地域の消費者IT支出は減速、企業のIT支出は短期的には安定
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Japan, 2022年8月5日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1-13-5、代表取締役社長:村橋俊介、Tel代表:03-3556-4760)は、アジア太平洋地域*の消費者IT支出についての予測を発表しました。世界的な景気後退のリスクは、インフレ率の上昇と金融政策の引き締め期待の中で上昇し続けています。インフレ率の上昇は、進行中のサプライチェーンの制約、地政学的な緊張、食料とエネルギー価格の高騰、中国での2022年初頭のロックダウンによって引き起こされています。これらの混乱がアジア太平洋地域(*)経済に及ぼす二次的な影響があります。
Worldwide Black Book: Live Editionの最新リリースでは、アジア太平洋地域(*)における消費者のIT支出がすでに打撃を受けており、2022年は市場成長が鈍化していることが明らかになりました。2023年には、景気減速の深刻さに応じて、さらなる低下が予測されます。しかし、アジア太平洋地域では、企業やサービスプロバイダーからのIT投資の需要はこれまでのところ安定しています。財務状況のさらなる悪化は、企業やサービスプロバイダーの支出にも影響します。
「この地域の企業の2社に1社は、インフレによるITコスト価格の上昇が2022年の残りの支出計画に影響を与えると予測しています」とIDC Asia/Pacific IT Spending Guides リサーチディレクター Vinay Guptaは述べています。また、「この状況が続く場合、企業はプロジェクトを遅らせるか、将来のビジネス機能とニーズに不可欠な戦略的イニシアティブに集中するために支出を調整するだろう」と述べています。
上のグラフは、Black Book: Live Editionの2022年1月から6月のリリースから引用した、IT支出への進化する影響と、2022年のIT支出に対する景気減速の影響の実際のシナリオを示しています。
日本と中国を除くアジア太平洋地域(APeJC)にはさまざまな国々が存在します。シンガポール、韓国、インド、タイ、台湾などの国は、エネルギーとコモディティの純輸入国であり、価格上昇のためにより高いインフレを目の当たりにしています。しかし、石炭、石油、ガスなどの商品を輸出するインドネシアとオーストラリアは、現在の状況から恩恵を受けています。彼らのインフレは、経済の開放とサプライチェーンの制約によるペントアップ需要の結果です。したがって、このシナリオでは、6月のBlack Book Liveリリースで報告された8.6%に対して、IT支出の成長が7.2%に減少したと報告されています。中国の状況は、ロックダウンが解除され、サプライチェーンの制約が緩和され、改善しています。2023年には、政府の介入が安定と成長を促進するため、力強い回復が期待されています。消費者のIT支出(モバイル、タブレット、PC、ウェアラブル、周辺機器の消費者購入に関連する支出)は、在宅勤務やオンライン授業に利用するため多くのデバイスが過去2年間ですでに購入されていたことから、2022年上半期に減速しました。そのため、2022年はそれほど素晴らしい年にはならないだろうと、もともとみられていたのですが、さらにインフレ率の上昇により打撃を受けています。
企業のIT支出は、企業が短期的にIT予算を確保し続けているため、安定しています。運用予算は、全体的な支出(クラウド、サブスクリプション、サービスとして)のより大きな割合を占めており、短期間で撤回することは困難です。新しいプロジェクトへの投資や一部の設備投資は、新しいイニシアティブに資金を投入するのではなく、継続することに焦点が移りつつあるため、脆弱になっているとみられます。また、価格上昇に応じてIT予算を増やす意欲と能力は今日、ますます不確実になっていると言えます。
IDCの「Worldwide Black Book: Live Edition」は毎月更新され、100カ国の年間成長率に関する最新のIT支出予測が掲載されています。
※Asia/Pacific excluding Japan
※本プレスリリースは2022年7月21日のIDC AP(シンガポール)による発表の日本語訳をベースとしてします。