
16 Dec 2022
国内DX推進企業のデータ利活用動向に関する調査結果を発表
Japan, 2022年12月16日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:村橋俊介、Tel代表:03-6897-3812)は、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進している企業でのデータ利活用に関する「2022年 データ利活用統括者調査」の調査結果を発表しました。同調査は、国内でDXを目的としたデータ利活用を進めている企業303社を対象に、データ利活用の現状と課題やデータ流通の利用状況ついて調査したものです。
今回の調査では、DXを目的としたデータ利活用を進める中で、データ利活用の効果が高いデータの種類が明らかになりました。自社で取得したデータと外部組織から取得/購入したデータに分けてたずねていますが、いずれも財務や人材に関するデータが上位に挙がっています(図参照)。また、外部から入手したデータでは、人やモノの位置情報/GPSデータも有用性が高いデータの一つであることが分かりました。
データ利活用における課題も明らかになっています。「人材/スキル」「組織構造」「経営方針/企業文化」「技術/データガバナンス」「業務プロセス」の5つの観点で課題を分析したところ、いずれの観点においても回答者にある程度共通する課題が見つかりました。「人材/スキル」では、データの運用基盤に関するスキル不足をおよそ4分の1の回答者が挙げています。「経営方針/企業文化」ではリーダーシップの欠如が同様に約24%、「組織構造」ではデータ利活用現場での理解不足を約3割の回答者が課題と考えていることが分かりました。
また、本調査ではデータを有償または無償で、販売/提供あるいは購入/取得するデータ流通の利用状況についても調査しています。データ流通に関する取り組みをすでに実施している回答者は、購入/取得、販売/提供別のいずれも10~15%に留まっています。一方で、計画進行中を含めると約25%にまで広がり、導入検討中を加えると40~50%に達しています。このようなデータ流通の現状において、産業分野別では製造業がデータ流通を積極的に活用しており、またデータ利活用が進んでいる企業もデータ流通をすでに活用していることが明らかになりました。今後データ流通を通じて得たいデータ種類については、人材関連やWeb/SNS、人やモノの位置情報/GPSデータに関する期待が大きく、現在データ利活用で効果が高いと考えているデータと一致しています。また、工場/プラントデータに対する期待も高く、ここでもデータ流通の活用に積極的な製造業の姿勢が見て取れます。
「データ流通の利用を拡大するためには、企業のデータ利活用をより高度なレベルに引き上げることが重要である。高度なデータ利活用をしている企業ほど多様なデータソースを用いていることが明らかになっているからである。また、データ流通関連サービスの認知度も総じて低く、データ流通にかかわるベンダーや事業者においては、データ流通サービスが提供する価値を認知してもらう活動が不可欠である」とIDC Japan 株式会社 コミュニケーションズ/ITサービスのグループディレクターである草野 賢一 は述べています。
今回の発表はIDCが発行した2022 年 国内データエコシステム市場 ユーザー利用動向分析: DX 推進企業のデータ利活用とデータ流通の取り組みを中心に にその詳細が報告されています。本調査レポートは、データ利活用の現状と課題やデータ流通サービスの利用状況と認知度に加えて、企業の改正個人情報保護法への対応状況についても分析しています。
(レポートの詳細についてはIDC Japan へお問い合わせください)
<参考資料>
データ利活用で効果が高いデータ種類
Q. 利活用しているデータの種類について、データ利活用の効果が高いと考えられるものを教えてください。
n = 303
Notes:
・従業員規模100人以上で、DXを目的としたデータ利活用を推進している国内企業において、データ利活用の状況を把握している方を対象とした調査
・最大3つまで回答
Source: IDC Japan, 12/2022