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Publication date: 23 Mar 2023

2022年通年の国内ウェアラブルデバイス市場実績値を発表

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Japan, 2023年3月23日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:村橋俊介、Tel代表:03-6897-3812)は、2022年の国内のウェアラブルデバイスの出荷台数を発表しました。

2022年通年の日本国内のウェアラブルデバイス出荷台数は前年比29.7%減となる564万台でした。2016年以降前年比増を記録してきましたが、世界的なインフレや、円安などの影響で製品価格が高騰したほか、市場をけん引していたアップルの勢いが鈍化したことが影響しました。

主要製品別では耳装着型デバイスが同31.0%減の265万台、腕時計型デバイスが同28.6%減の214万台、リストバンド型は同10.4%減66万台でした。また、モジュラー型、グラス型、クロージング型デバイスの出荷が19万台ありました。なお、カンパニー別の動向は以下になります。

カンパニー別動向(国内市場)

アップルは65.3%のシェアを獲得し、第1位の座を維持しました。出荷台数は耳装着型デバイスと腕時計型デバイスを合わせた合計368万台で、前年比34.2%減となりました。耳装着型はコロナ禍で急成長した需要が一巡し、腕時計型は低価格モデルが市場トレンドになりつつある中でSeries 8や、ハイエンドモデルであるWatch Ultraが、非常に高価な製品として消費者に受け取られてしまったことが前年比大幅減の要因となりました。

グーグルはシェア6.4%の2位です。耳装着型、腕時計型、リストバンド型合わせた合計が36万台で前年比3.1%減となりました。従来からあるFitbitブランドの製品に加えピクセルウォッチがローンチされたことで腕時計型デバイスは前年比0.9%増となりましたが、リストバンド型は企業のヘルスケア需要が一巡したことで企業向け製品の出荷が落ち込み同12.3%減でした。

シャオミはシェア5.9%の3位でした。耳装着型、腕時計型、リストバンド型デバイスを合わせた合計が33万台で前年比27.0%増となりました。腕時計型、リストバンド型デバイスが市場の求めている機能と価格帯のニーズに合致していることが成長の要因となりました。特にリストバンドは世界的には需要が減退している中で、それに反して国内では非常にニーズが高く世界的にみても特異な成長を遂げています。

ガーミンはシェア5.4%の4位でした。腕時計型、リストバンド型デバイスを合わせた合計が30万台で前年比13.3%増となりました。2022年は直営店のオープンや、テレビCMを含めた積極的なマーケティング活動を行うことで国内におけるプレゼンスを高めています。

ソニーはシェア4.5%の5位でした。耳装着型、リストバンド型デバイスを中心に前年比35.3%減となる25万台を出荷しました。スマートフォンとの連携が消費者に重視される耳装着型デバイスの苦戦が続いています。

「ウェアラブルデバイスはスマートフォンとの連携が消費者に重視されている。そのためスマートフォン市場でのマーケットシェアが高いアップルが耳装着型、腕時計型デバイスでともに圧倒的なシェアを誇っている。ただ一方で国内でのAndroid系スマートフォンの利用者数に比べて、特に腕時計型デバイスの出荷台数が圧倒的に少ない。そのためAndroid系スマートフォンユーザーには十分に腕時計型デバイスが利用されていないと考えられる。今後はAndroid系スマートフォンユーザーを対象とする製品を中心に国内市場は成長していくと思われる」とIDC Japan株式会社Consumer Devicesのマーケットアナリストである井辺 将史 はコメントしています。

今回の発表はIDCが発行した「Worldwide Quarterly Wearables Tracker」にその詳細が報告されています。



<参考資料>

Source: IDC Japan, 3/2023

※「カンパニー」とは、IDCの調査レポート期間において、期間内に発生した買収・統合の結果を反映する財務・法務的な企業ないし企業グループを指します。IDCではあたかもこの企業グループが過去全ての調査期間に渡って存在していたかのごとく取り扱います。こうすることで、買収・統合前後の成長率などのトレンド分析が簡単、明瞭になります。なお、カンパニーにはOwnershipが含まれますが、持ち株会社のように実質的に事業を行っていない会社は、除外します。

※ IDCの定義では、耳装着型デバイスがウェアラブルとみなされるためには、スマートアシスタント、健康・フィットネストラッキング、オーディオ体験の向上など、音声以外の機能を提供する必要があります。

(詳細についてはIDC Japan へお問い合わせください)





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