
04 Apr 2023
国内ITサービス市場予測を発表
Japan, 2023年4月4日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:村橋俊介、Tel代表:03-6897-3812)は、国内ITサービス市場予測を発表しました。これによると、2022年の国内ITサービス市場は、既存システムの刷新/クラウド移行、企業のデジタルビジネス化に関連する案件の増加と範囲拡大に伴う支出が牽引し、6兆734億円となりました。2023年以降も堅調に推移し、2027年には7兆177億円になる見通しです。
2022年の国内ITサービス市場は、上半期に半導体/部材不足やSMB(Small and Medium-sized Business:中堅中小企業)の支出回復の遅れなどが影響したものの、下半期はこれらが徐々に改善に向かい、既存システムの刷新/クラウド移行や、モダナイゼーションを含む企業のデジタルビジネス化に関連する案件の増加と範囲拡大によって、前年比3.3%増のプラス成長となりました。
2023年の国内ITサービス市場は、世界的なインフレーションや景気後退懸念といった先行きの不透明感の増大に伴い、ITサービス投資抑制の影響が懸念されます。しかし、半導体/部材不足による製品の調達遅延に伴うハードウェア関連サービス市場へのマイナス影響の段階的な解消に加え、デジタルビジネス化を図る国内企業のシステム刷新および新規システム構築の需要に支えられ、堅調な成長を継続するとIDCではみています。2024年以降は、既存システムの単純なクラウド移行型案件から、ITアーキテクチャのモダナイゼーションなどを含めた、より本質的な企業全体のデジタルビジネス化に関わる支出が牽引し、プロジェクトベースを中心に継続的に市場が拡大するとみています。以上から、2022年~2027年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は2.9%で推移するとIDCは予測しています。
2027年までの国内ITサービス市場は、従来型システムの構築や運用/保守の市場が減少する一方、クラウドへの移行支援、インフラストラクチャ/アプリケーションのモダナイゼーションの支援、顧客企業のデジタルビジネス化に向けた新たなシステム構築と運用の支援が拡大し、サービスの内容面でのポートフォリオを大きく変化させながら、全体としては堅調な成長が続くとIDCではみています。「ITサービスベンダーは、従来型のITシステムの比較的単純なクラウド移行支援から、インフラストラクチャ/アプリケーションのモダナイゼーション、顧客企業のデジタルビジネス化に向けた新たなシステムの構築と運用の支援へとサービスポートフォリオの軸足を移していく必要がある」とIDC Japan株式会社 Software & Servicesのグループマネージャーである植村 卓弥 は述べています。
今回の発表はIDCが発行したレポート国内 IT サービス市場 産業分野別予測、 2023 年~ 2027 年 にその詳細が報告されています。本レポートでは、国内ITサービス市場を12の市場セグメント、および、ユーザ企業の産業分野別(18産業)に分類し、2027年までの市場規模予測を行っています。
(レポートの詳細についてはIDC Japan へお問い合わせください)
<参考資料>国内ITサービス市場 支出額予測: 2022年~2027年
Note: 2022年は実績推定値、2023年以降は予測
Source: IDC Japan, 4/2023