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Publication date: 27 Nov 2024

2024年 国内データセキュリティソリューション市場動向を発表

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Japan, 2024年11月27日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:村橋俊介、Tel代表:03-6897-3812)は、国内のデータセキュリティソリューション分野の市場動向を発表しました。管理対象データの多様化、ITシステムや運用環境の複雑化、データ駆動型経営の高度化によるデータの重要性の高まりなどの多くの要因によって、データセキュリティソリューションの需要が拡大する流れは今後も継続することが確実です。

データセキュリティ市場における促進要因の中で強い影響を持つのは、AI(Artificial Intelligence:人工知能)技術の進化です。AIを悪用したマルウェアの巧妙化、AIによる防御策の強化、学習データやモデルの防御などに加え、精度向上のために機密データや個人情報を暗号化したまま処理する秘密計算技術のニーズまで多岐に渡っています。2024年に入ると、Generative AI(生成AI)の有用性をエンタープライズ用途に生かそうとする動きが活発になり、コードの自動生成によるソフトウェア開発の効率化やRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)の併用による大規模言語モデルの精度向上のためのシステム構築が増加しており、こうした動きも新たなデータセキュリティソリューションの需要につながっています。

機械学習を導入すると、新たなデータを保有し、これまでとは異なるデータ利用を行うことになるので、組織内に相応のセキュリティ対策を増強することが必要となります。資産価値の高い学習用データセットや推論のアルゴリズム/モデルを漏洩から守るだけでなく、特殊なユーザープロンプトによってマスタープロンプトの意図を無効化する「プロンプトインジェクション攻撃」にも備えればなりません。また、モデルから学習時に使われたデータを復元する「モデルインバージョン攻撃」への対策を講じる必要もあります。こうした機械学習に関わる特有の攻撃に対しては、専門知識や新たな防御システムが求められることから、ITサプライヤーにとって新たなビジネス機会となってきます。

AI技術の導入だけでなく、高度化するデータセキュリティニーズに対応し、運用の負荷軽減と安全性の向上を図る新たなソリューション分野として、DSPM(Data Security Posture Management:データセキュリティ態勢管理)が拡大しつつあります。これは、クラウド環境だけでなく、オンプレミスを含むすべてのITシステム上の機密データを可視化し、保護する技術です。DSPMの登場以前にはCSPM(クラウドセキュリティ態勢管理)ソリューションの台頭がありましたが、海外市場では2022年頃から、DSPMの必要性を強調するベンダーが増加し、国内市場にも影響が出始めています。

IDC Japan株式会社 Infrastructure & Devicesのリサーチマネージャーである鈴木 康介 は「データ活用の成果と共に、利用対象のデータ範囲や利用場面は拡大する方向にある。データ運用の複雑さとインシデント対応の即時性要求に応えるには、セキュリティ運用の自動化を進めるのが効果的であることから、ディープラーニングを中心とした開発競争は今後も活発な状態が続き、セキュリティ分野のAIエージェントの実用化が進むことでユーザー企業のデータセキュリティ運用には大きな変化が起きるであろう」と分析しています。

今回の発表はIDCが発行したレポート「2024 年 国内データセキュリティソリューション市場動向 」にその詳細が報告されています。データセキュリティの強化を図るソリューションとしては、前述のDSPMに加えて、データ起点でのセキュリティ管理ソリューションとして成長が期待されるData Access Governance(DAG)も取り上げています。また、技術進歩が著しい生体認証技術によるセキュリティ市場の活性化や秘密計算技術のB2B(企業間ビジネス)ユースケース、具体的にはマテリアルズインフォマティクスやサプライチェーン全体に渡る環境負荷の算出への適用を例示して、その利用拡大の傾向についても分析を行っています。さらに、技術動向としては、プライバシー強化技術(Privacy Enhancement Technologies)のうち、エンタープライズ向け用途で注目が高まる3つの技術、マルチパーティ計算(Multi-Party Computation:MPC)、完全準同型暗号、TEE(Trusted Execution Environment)の開発動向とユースケースについて、また、今後の適用拡大が見込まれる技術分野として合成データ(Synthetic Data)や分散型ID(Decentralized Identity:DID)などにも考察を加えています。こうした需要サイド、供給サイドの両側で活発な動きがある状況の下で、ITサプライヤー、データセキュリティソリューションを展開するベンダーのビジネス戦略には、どのような視点が盛り込まれるべきかを検討し、具体的な提言を行っています。

レポートの詳細についてはIDC Japan(報道関係者様左記以外の皆様 )へお問い合わせください。



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