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Publication date: 28 Mar 2024

2023年通年の国内ウェアラブルデバイス市場実績値を発表

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Japan, 2024年3月28日 - IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役社長:村橋俊介、Tel代表:03-6897-3812)は、2023年通年の国内のウェアラブルデバイスの出荷台数を発表しました。なお、IDCが調査しているウェアラブルデバイスはEarwear、Smartwatch、Wristband、Clothing、Glasses、Ring、Modular、Otherで構成されています。

2023年通年の国内のウェアラブルデバイス出荷台数は前年比5.4%減となる1,196万台でした。2022年に続き、2年連続で対前年比減という結果でした。ウェアラブルデバイスの主要製品カテゴリのEarwearやSmartwatchのカテゴリで最大シェアを獲得しているアップルが対前年で大きく出荷数を落としたことが影響しました。

主要製品別ではEarwearが対前年比2.3%減の939万台、Smartwatch/Wristbandが同15.5%減の240万台でした。なお、主要製品カテゴリの動向は以下になります。

主要製品別動向(国内市場)

  • Earwear

Earwear市場のトップシェア(23.6%)を占めるアップルが対前年比23.8%減、2位のソニー(17.1%)が対前年比34.9%減とシェア1位と2位が対前年比大幅減となったことで、Earwear市場全体で対前年比減となりました。アップルのAirPodsはEarwear市場を開拓してきた先進的な製品で、電車などの公共交通機関を利用することが多い日本で急成長を遂げました。ただ高価ということもあり、既に同程度の機能で安価な製品が多数で回っているため、今後は買い替え需要を中心とした安定的な成長軌道をとるだろうとIDCではみています。

  • Smartwatch/Wristband

Smartwatch/Wristband市場は対前年比15.5%減となりました。Earwear市場と同じくトップシェア(44.4%)を占めるアップルが対前年比30.2%減という結果であったことが影響しています。2020年から2023年の4年間でApple Watchは約660万台出荷されています。Apple Watchの購入者はiPhoneユーザーが中心であり、日本の携帯電話利用者の約半数はiPhoneユーザーであることを考えると、十分にいきわたったのではないかとIDCではみています。ただ、Android PhoneユーザーにはApple Watchのような製品が存在しないため、Android PhoneユーザーのためのSmartwatchにはまだ成長の余地があると思われます。

「Smartwatch/WristbandやEarwearなどのウェアラブルデバイスの主要製品に関しては、すでにそれらを必要とするユーザーには行き渡ったとみている。特にEarwearは用途に合わせて複数台利用する消費者も多く、これらの製品が急成長する可能性は低いだろう。ただしウェアラブルデバイスを通してバイタルデータを取得し、それを医療やヘルスケアに活用する取り組みは広がってきている。時計型やリストバンド型だけでなく、指輪型デバイスなどが最近は注目されている形状に関わらず、医療やヘルスケア用途での活用は広がっていくと思われる。ただ一方で日本は医療用途に機器を利用する場合、医療機器認定を取得し、医療従事者に利用してもらうには保険点数制度などの見直しが必要となる。医療用途として広く利用されるにはクリアしなければならない社会システム上の課題が多く、これらがクリアされない限り、医療用途での広がりも限界がある」とIDC Japan株式会社 Consumer Devicesのマーケットアナリストである井辺将史 はコメントしています。

今回の発表はIDCが発行した「Worldwide Quarterly Wearables Tracker 」にその詳細が報告されています。



<参考資料>

2023年通年 国内ウェアラブルデバイス市場製品別構成比



2023年通年 ウェアラブルデバイス国内トップ5カンパニー出荷台数(単位:千台)及び対前年成長率



2023年通年 Earwear国内トップ5カンパニー出荷台数(単位:千台)及び対前年成長率



2023年 Smartwatch/Wiristband国内トップ5カンパニー出荷台数(単位:千台)及び対前年成長率



今回の発表はIDCが発行する「IDC Worldwide Quarterly Wearable Device Tracker 」にその詳細が報告されています。

※「カンパニー」とは、IDCの調査レポート期間において、期間内に発生した買収・統合の結果を反映する財務・法務的な企業ないし企業グループを指します。IDCではあたかもこの企業グループが過去全ての調査期間に渡って存在していたかのごとく取り扱います。こうすることで、買収・統合前後の成長率などのトレンド分析が簡単、明瞭になります。なお、カンパニーにはOwnershipが含まれますが、持ち株会社のように実質的に事業を行っていない会社は、除外します。

※ IDCの定義では、Earwearがウェアラブルとみなされるためには、スマートアシスタント、健康・フィットネストラッキング、オーディオ体験の向上など、音声以外の機能を提供する必要があります。

(本製品の詳細についてはIDC Japan へお問い合わせください)



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