Japan, 2025年4月1日 – IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都渋谷区渋谷二丁目24番12号、代表取締役社長:村橋俊介、Tel代表:03-6897-3812)は、2024年通年の国内AR/VRヘッドセットの出荷台数を発表しました。IDCではAR/VRヘッドセットをAugmented Reality(AR)、Virtual Reality(VR)、Mixed Reality(MR)、Extended Reality(ER)の4カテゴリで調査しています。
国内の2024年通年のAR/VR/MR/ERヘッドセットの合計は前年比14.8%減の48.6万台でした。MR以外のすべてのカテゴリで対前年比大幅減となりました。唯一、対前年比増となったMRの好調な出荷を支えたのはMetaのQuest3です。初代モデルのOculus Questの発売から約6年が経過しましたが、ゲーム用途などで一定の市場を確立することに成功しています。また、最近では法人向け用途の開拓も進んでいます。一方、同じくMRカテゴリに含まれるAppleのVision Proは、非常に話題性の高いモデルでしたが、高価であることも相まって実際には法人向けを中心にした一部の出荷に留まりました。またVision Proを購入した法人も実際の業務に利用するというよりは、研究開発目的での購入がほとんどであり継続的な需要を見込むことはできないでしょう。AppleはVisionの廉価版モデルのローンチを企画しているようですが、それは2026年以降になるとIDCでは見ています。
VRは、PSVR2の出荷が絞られてきていることもあり対前年比減です。IDCでは、現在VRカテゴリに分類されているモデルの後継機種が販売される場合は、今後MRカテゴリに含まれるようになると見込んでおり、VRカテゴリの予測出荷数は2026年以降ほぼなくなると考えます。
ARは、Microsoftに続き、成長が期待されていたMagic Leapも現在では事業のほとんどを停止しています。将来予測においても、IDCではARカテゴリの今後の成長は期待できず、現状水準に留まると予想しています。
ERは、対前年比減となりましたが、XREALのデバイスを中心に一定の需要があるため、確かな市場が形成されつつあります。今後も一定の成長軌道をとるとIDCでは見ています。ただ、もっと安価なMRデバイスが出回った場合、ERデバイスの市場が淘汰される可能性はあります。
以上を踏まえ、国内のAR/VRヘッドセット市場は2029年までに約38万台になるとIDCでは予測しています。
「かつてはスマートフォンの代替となるデバイスとして大きな期待を寄せられていたAR/VRヘッドセットだが、現時点でその成長は停滞している。AppleのVision Proが世間から大きな注目を集めたことで、新たな用途開発が促進され市場が発展することが期待されたが、既出の用途の域を出るものではなかった。ただ、現在では停滞しているものの、MetaやXREALなど一定の成果を残している企業もある。また、ヘッドセットを装着したことによる没入感は、ユーザーにとって新しい体験を与えるものであることには変わりない。この価値をより手軽に安価に体験できるようになれば、市場は劇的に変化するだろう」とIDC Japan株式会社 Consumer Devicesのマーケットアナリストである井辺 将史 はコメントしています。
※以下がIDCのAR/VR/MR/ERの定義になります
- ARヘッドセットはデジタルコンテンツを現実の視野に重ねて表示し、3Dのオブジェクトを操作できるヘッドセットとする。なおそこで使用されているグラスは半透明かシースルーになる。
- VRヘッドセットはユーザーの現実世界の視界を完全に遮り、デジタル世界を体験できるヘッドセットである。基本的にVRヘッドセットを装着している時は安全環境であることが求められる。
- MRヘッドセットはVRと類似しているが、外向きカメラが備えられており、装着した上での外出も可能である。完全没入型環境と、現実の中にオブジェクトを表示したり追加したりすることができる環境を切り替えることができる。
- ERヘッドセットは外部コンテンツの表示を提供する、シースルーまたは半透明のディスプレイを持つ。単眼であることが必須ではないが単眼タイプの製品が多く含まれる。
今回の発表はIDCが発行する「IDC Quarterly Augmented and Virtual Reality Headset Tracker 」にその詳細が報告されています。
(詳細についてはIDC Japan(報道関係者様 、左記以外の皆様 )へお問い合わせください)
<参考資料>
1. 2021-2024年通年国内AR/VRヘッドセット市場

2. 2025年~2029年国内AR/VRヘッドセット市場予測

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